【半蔵門ビジネストーク】20170929 眼にとまる方法
書店でブラブラと文庫本を眺めていると、平積みの本が乱れておかれていた。きっと手に取ったが買わなかったお客が無造作に山に戻したのだろう。あるいは歩きながら足がぶつかったのかもしれない。いや買い物袋かな。バッグかも。
とりあえず揃えて整えておこう。
しばらく歩くとまたあった。これもまっすぐに。
しかし、またあった。
ここで気付く。
これ意図的だ。
上の写真の左側/銀行狐、右側の石田衣良/逆島断雄は、一見乱れて置いているようだが、実は角度も向きも同じに置かれている。これまで直した本もそうだった。そして極めつけはこちら。
4冊揃って同じ向き。流石にこれらは、ぶつかって曲がったのではないだろう。
このようにおくと眼にとまり易い。
全部が整ってまっすぐに置いてあると、余程目立つ表紙でもないかぎり初見では埋もれがちだ。こうしておくとその本が眼にとまり、手にとられ易くなる。
もう少し観察すると、どうやら売れ筋の本はこの置き方はしていなかった。おそらくそのようにしなくても一定の売上があるのだろう。
今はほとんどがネットで買える。再販制度の隙間を縫って定価より安く買え、ウマくいけば翌日には届く。書店は立ち読みで内容をちょっと見するためで、あとはamazonでというケースは少なくはない筈だ。
斜め置き。
これらは、店員さんがその日の好みで行なっているのではないだろうか。日によって違う本が斜めに置かれる。それに眼を留めて買う人がいる。思わぬニーズが掘り起こされ、意外な売れる傾向がわかるかもしれない。静かな競争のモチベーションにもなるだろう。なによりも、自分の感覚が市場の反応を得られる嬉しさがある。
ネット時代の眼にとまる方法。それは探せばまだありそうだ。