ODR Pickups/半蔵門ビジネストーク

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

【ODRピックアップ】20140703 ビジネスの息吹 恒例ODR FORUM−2

前回のブログ更新時には、米国のスタンフォード大学で、恒例のODR FORUMに出席していました。http://odr-room.hatenablog.com/entry/2014/06/26/140929 

※そのため、メールや電話のレスポンスが悪くなってしまい、ご迷惑を御かけしたかもしれません。ご容赦ください。。。

 

 例によって慌ただしい出張でした。サンフランシスコ国際空港へは朝8時過ぎ到着。そのままBARTに乗って、CITY CENTER駅へ。スーツケースをがらごろ押して、併催イベントのハッカソンと消費者関連の法律に関するイベント「Breaking Mad」の会場 UC Hastings Collegeへ。一度入り口を間違えてうろついていると、同じくスーツケースを持った一段が。。。近寄ると、なんとIBO(Internet Bar Organization)のJeffry Arestyさん。私が、この分野に入って最初に米国で尋ねた相手です。数年前には、奥様と息子さん夫婦、娘さんを交えて日本でのディナーに招待したこともある間柄。なんと奇遇。

 

 

さて。

今回のODR FORUMは、実はこれまでで一番の変化を感じたものでした。変化とは、内容・論点より寧ろ、「ビジネスが始まる予感」です。 

これまでもODRと法廷について、あるいは、国連のODR RULEに関する議論は毎回取り上げられていましたが、今年は欧州で承認されたADR指令やODR規則の組込みが義務づけられ、各国の各ベンダーが具体的な取組みを始めており、 このあたりが次に述べる具体的なビジネス的動きに繋がっています。

大きな違いは、これまで乗り気でなかった法曹の組織が腰を上げたこと。ITと法律界は意外にもこれまであまりコラボレーションがなかったと立ち話した参加者の誰かが言っていましたが、どうしてどうして。

 

まず、Breaking Madの基調講演に登壇したのは、ABA(American Bar Association)のチェアマンRuth Glick氏、2日目には、同PresidentのJim Silkenat氏。2008年に、私が初めてボストンのマサチューセッツ弁護士協会を尋ねたころには、弁護士界隈では「ODR?ありえん」のような反応だったのですが、弁護士協会の重鎮が自ら基調講演とは大きな変り様です。AAA(American Arbitrators Association)のWebサイトが全てWebで申請(AAA Webfile http://bit.ly/1sWotHn)ができるようになり、そのやりとりにメールは使用しないようになってきています。

次に、新しいツールベンダーが多く名乗りをあげていることです。

過去のFORUMでは、ODRツールとしては老舗のSmartSettle http://www.smartsettle.com/や、Mediate.comくらいがツールのプレゼンをしていただけだったのですが、

今年は、パワーアップしたSmartSettleを始め, Mediate.comの新ツール CaseLoadManager http://www.caseloadmanager.com/ は勿論、eBayのODR責任者だったColin Rule氏が立ち上げたMODRIA社 http://www.modria.com/国連のUNCITRALにも参加するスロバキア国担当者の新会社 Youstice https://www.youstice.com/en/、アルゼンチンのベンチャー Pactanda http://www.pactanda.com/#/ 等々。。。デモ時間はランチタイムにもかかってしまうほどになりました。

 

次に最初から顧客対応としてODRに着目して組み込んであるサービスが出てきています。

オークションのeBayは勿論のこと、フリーランスの仕事紹介サイトeLanceに組み込まれたoDesk、車のトラブル専門のNetNeutrals、ネット取引のトラブル専門のPoshmark、日本版サービスサイトもあるAirBnB https://www.airbnb.jp/ は、現地のB&Bを簡単に探して借りられるサイトです。これらのサイトには、予め組み込まれた金銭の支払い/受領をコントロールするエスクローシステムなどで、トラブルを防止しつつ、トラブルの場合のルールがODRの仕組みとして組み込まれています。

ハラスメントの相談、解決にODRを適用する検討しているのは、facebookのポリシー担当チーム。こちらに関連して、オランダのHillグループは、離婚調停に特化したサービスを展開し始めました。ニュースレターなども発行され、非常にサービスが充実しているように見えました。

 

既に述べたようにカナダ、米国、英国以外にも、多くの国が登場していますが、当社が登壇したのは、最終日の最終セッション  The State of International ODR。

http://www.ustream.tv/recorded/49273323 (8分過ぎくらいから)

司会者は、インドのODR開発者、アルゼンチン、ロシア、ナイジェリア、ポーランド、日本、そして、当日飛び入りで中国。欧州の動き、更に先を見据えた先行国(カナダ、米国、英国)の動きに関連して、非常に多くの新しいODRに対する取組みが垣間みられ、最終セッションということもあり、ほぼ満席状態でした。

 

そして何よりも息吹と言えるのは、資金が動き始めたこと。

Yousticeは欧州、スロバキアなどの投資家からの資金がはいり、MODRIAもVCから調達した資金で、オランダのJuripaxや英国のMediationRoomを傘下にして、越境紛争にも備えています。アルゼンチンのPactandaもVCから資金調達に成功したものです。

 

 

ゴールドラッシュで一番儲けたのは?

金を掘り当てた人は勿論ですが、それよりも、金を掘るシャベルやジーンズを売った人が一番儲かったという逸話があります。ODRのビジネスも、紛争そのものより、道具のほうが儲かるような予感。

 

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来年は、同じく6月にニューヨークで開催されることも決定しました。UNICITRALの会合も頻繁に開かれており、2015年は、ビジネスとしてのODRが花開くかもしれません。