【ODRピックアップ】20150610 1912年の条約
海外に出張や旅行をする際には、大抵なんらかの書類を提出しますね。それはVISAだったりそれに準ずる書類だったり。(【ODRピックアップ】20150529 米国大使館ESTA VISA免除プログラム http://odr-room.hatenablog.com/entry/2015/05/29/003258)
そして書類中には、殆どの場合目的を記載します。ビジネスだとか観光だとか就学だとか。
いずれの場合でも、”雇用を求めているか?以前に雇用されたことがあるか?以前に許可なく働いたことがあるか”を質問の一つとして聞かれます。ほぼ必ず。
(米国ESTAの場合)
これは当然で、他国から簡単に就労できてしまうと、自国民の雇用機会を脅かし、雇用秩序も崩れます。従って、通常は、許可がないと働けないし、許可された場合でも、上限があったり、 職業の制限があったりします。
実は最近、ODR関係のオランダの友人からメールを貰いました。
「お前もオランダにくるのか?だったらオレのところでやる?」と唐突な。。。「な、、、なになに?」
と聞いてみると、昨年の暮れに出た判決を教えてくれました。
日本国籍者のオランダ労働許可が不要に - Netherlands Foreign Investment Agency
1912年に締結された「日蘭通商航海条約(The Treaty of Trade and Navigation between the Netherlands and Japan)」を根拠として、日本国籍者はオランダで「労働許可なく就労できる」との判断を下した。これにより、日本国籍者がオランダで働く場合には、「自由に労働が可能な居住許可(Residence Permit “work freely permitted - work permit (TWV) not required”)」が交付される。
他国でもそうですが、外国人が労働許可を得られる場合は、「国内に(EUは、さらにEU諸国に)適切な人材がいなかったと雇用主が証明」した場合でした。つまりは、余程の特殊技能の持ち主であるか、相当の売り手市場になっていないと、なかなか許可は得られなかったわけです。また居住許可は、雇用契約が前提でしたので、それも取りにくかったわけですが、今回の裁判所の裁定で、一気に日本人のビジネス機会が増えたわけです。
オランダの雇用関連については、こちらのライフハッカーさんの記事が詳しいのでご参照のほど。
オランダ起業ビザに関する情報整理 | 世界にはオランダがある。
(写真は、2013年出張時のオランダ・スキポール空港)
それにしても1912年の条約とは。1912年といえば、日本は大正時代。2年後の1914年には、第一次世界大戦に参戦しています。桜島の大爆発もこの年。
100年を経て再び日蘭関係が深まるのは歴史のロマンチックな妙だなー