【ODRピックアップ】20150611 ODR FORUM2015
自身初のセッションを受け持つと張り切っていたODR FORUM2015が、ニューヨーク
ODR 2015 | Pace Law School で、6月4日ー5日の2日間開催されました。
出席は、米国、カナダ、チェコ、イギリス、ナイジェリア、インド、アルゼンチン、メキシコ、イスラエル、中国、そして日本など数十名。前々回のカナダと比べると随分少ないのは、地元からの参加が意外と少ないことかもしれません。そうニューヨークは意外とこのテーマ先進的で、すでに市民の紛争解決にODRとしては先駆的なCyberSettleというツールが導入されているのですが、その分、研究的な熱量が減っているのかもしれません。あるいはビジネスの匂いや規模が身の丈にあわないのか。ともあれ、懐かしい顔も多く、決まって挨拶には、「1年ぶりだね」という言葉が入ります。
この1年で何が変わってきたのか?
前回のスタンフォード大学では、「実際のサイトへの採用」が多く紹介されました。また、”資金”がODRにも動き始め、複数の具体的なスタートアップが積極的な動きを始めたことを報告しました。
http://odr-room.hatenablog.com/entry/2014/07/03/101904
今年はこの続きがどうなっているのかも関心の一つです。
「実際のサイト」は、コーディネーターの関心にも関連して今回は登場しませんでしたが、資金の入ったベンチャーは再登場。(Modria社、Youcetice社)いずれも、同じ投資家によるベンチャーのため、件の投資家 Esther Dyson女史は前日のレセプションのスピーチで登壇しています。
前回よりこれまでODRには積極的でなかった法曹界からの参加も続き、Keynoteでは、「Tomorrow’s Lawyers」著者の、Richard Susskind教授が登壇。「ODRはいわゆる4段目に入った」とまとめています。多くの関係者が、1)関心なしー> 2)いいんだけどどうかな?ー> 3)期待できるけど問題も多いよねー> 4)だから私は前からそう言っていた と否定から認定へ変わってきていると分析しているそうです。
主催のコーディネーターは大学の教授でもあり、国連のODRのWGの推進者でもあり、実際の法廷での利用動向はどうか、そして、その法的手続きのプロセスはどう変わってくるのかなど、ODRが法曹界にどのような影響を与えるのかが、セッションにアレンジされています。EUで施行されるODR法がどのようなインパクトを与えるのかは、立教大学の早川教授が報告して活発な議論や質問が交わされました。
2日目は、応用分野。個人間の紛争解決、電子商取引、離婚調停への導入事例。そして、なかなか応用が進みそうで進まないTV会議の導入の課題や期待などがテーマとなっています。今回は、日本から初めてTrustmarkとODRの連携を提案し紹介しています。これは、日本のCCJが進めている提携先が、主にTrustmark機関でもかつODR機能も持つ組織が多くなっていることや、Trustmark機関間の提携が、WTA(World Trustmark Alliance)として広がっていること、特に国際間の取引で執行力が担保されにくいため、ODRとTrustmarkとの連携を一つの具体策として紹介したものです。実務的すぎるせいか、反応は、イマイチだったというのが正直なところですが、継続的に提案していきたいと考えています。
日本で開け!とまたまた言われてしまいました。
スポンサーがいないかな〜