【ODRピックアップ】20150730 アベリーン現象になっていない?
ある街のある家族が久しぶりに集まった。
母親がいった。
「久しぶりにみんな集まったからお食事にでもいかない?」
長男「いいね!」
長女「いいわね、そうしましょう!」
父親「いいな!オレがおごるよ。どこにする?」
みんな「。。。どこがいいかな。。。」
よくある話です。お店を決めるのは結構重責。
母親「前にお父さんが言ってたアベリーンにあるレストランは?」
父親「ああ、あそこか。そういえば母さんも行きたいっていってたな」
長男「もうどこでもいいよ。ハラ減った!」
長女「そうね。そこへいってみましょう」
全員「よしいこう!」
アベリーンは少し遠い。車でやっと到着したが、お目当てのレストランは予約でいっぱい。やむなく、近くのレストランに入って食事をしたが、サービスも味も最悪。。。
帰りの車でも、みんな押し黙っていた。
なんとか、自宅に到着すると、長男がいった。
「最悪だったね」
長女「ホントね」
父親「まったく、誰がアベリーンに行こうって決めたんだ!母さんじゃないのか?」
母親「あたしは、お父さんがお勧めだったから」
父親「オレは勧めとらんぞ!あそこは予約しないと入れんのだ」
母親「知らないわよ!」
長男「オレは、父さんと母さんがいきたそうだったから」
長女「あたしはなんかイヤな予感したのよ」
長男「だったら言えよ!」
これは、アベリーンパラドックスといわれています。アベリーンはアメリカの砂漠の中にある街ですが、このように、誰が決めたわけでもなく、自分以外の「みんながそうしたいならいいよ」、と全員が思って決めた(あるいは誰も決めなかった)結果、最悪のパターンに陥る現象です。
全員が合意したのに、進まないプロジェクト。
役員会で、「君はどう思う?」と聞かれて、「いいんじゃないですか」と答えてしまう。否定する雰囲気ではないし。。。
みんなが、「やらないよりやったほうがいいんじゃないか?」といった政策。
彼女が行きたそうだから、ムードを壊さないように「おお!行こう行こう!」と答える。彼女は、「アナタがきっと喜ぶと思ってそう言ったの。。。」
自分はそう思っていないのに、誰かがそれを求めていると思い、提案してみると乗り気の反応だったとき。自分はどっちでもいいと思っているが、相手が熱っぽく提案してくれているので、腰を折るのもどうかなと想い、その熱意ならやってみる価値もあるかもと思う。
我々の周囲は、意外にアベリーン現象で動いていませんか?