【半蔵門ビジネストーク】20170516 アメリカは先行し、欧州は規制し、日本は様子を見る
人工知能ワトソンが、ボブディランや渡辺謙、セリーナウィリアムスと対話するCMは、人工知能に人々が抱くイメージにピッタリで、完成形にもみえていた。だから、このIBMの業績は当然だと思う人が多いだろう。
先行逃げ切り
しかし、映画「チャッピー」で、チャッピーは最初は自分の名前から覚え始めたように、対話が出来るようになるまで覚えさせるのが大変なのは、記事中で東京三菱UFJ銀行の取締役が語っているとおり。先行したIBMは、この覚え込ませるプロセスに必要なディープラーニングのベンチャーを買収し、先行逃げ切りを目指す。
アメリカはいつも走りながら考えている。
ハーモナイゼーション
欧州は、規制に力を入れ続ける。2002年頃は、日本のメーカーが価格統制でやり玉にあがった。価格をメーカーが決定することは消費者のためにならないからということだった。
欧州は、このタテ関係だけでなく、地域による制限にも目をひからせる。特定の国で買えないとか、支払い手段が使えないとか、配送されないとか、消費者が地理的な条件によって不利益を被ることを許さないのだそうだ。欧州全体で規則を統一することで、消費者、欧州市民の権利を尊重することが欧州の存在意義であるかのように。
欧州はいつも厳しい。域外にも域内にも。
日本はどーだ?
ところで、日本はどうかというと、おそらく様子を見る。様子を見るということは、何もしないということに等しい。
いつもならそうだ。
でも、今回はソフトバンクのペッパーくんは、イベントを中心にあちこちに配備され気をはいている。病院に配備され案内役は好評といわれている。
欧州に対しては、そうした縦型の独禁法に対して従っていくしかないようだ。市場は大きい。無視するわけにはいかない。