【半蔵門ビジネストーク】20170724 螺旋階段のように(2)
先日の螺旋階段のように(1)では、コンピュータが汎用機の共用からクラウドになってまた、同じアイデアに戻ってきた話を書いたが。。。
グローバル企業
といえば、日本だったらトヨタやパナソニック、シャープなど枚挙にいとまがないが、こうした企業の形態は、日本で作って海外で売るのではなく、現地に法人を作って、現地採用、現地で納税、もうそれはまさにグローバル企業である。当然、最初は日本の製品を輸出するところから始まって、やがて現地に法人を設立するという手順を踏んだろう。最初は越境取引だったはずだ。
アジアのMSME
8月にベトナムでAPECのサブグループ会合がある。懇意にしているベトナム政府の関係者から招待されていく予定だが、開催主旨の本文には、
APEC地域では、企業の約97%はMicoro Small Medium Enterprize(中小企業)で、それらが就業人口の70%を雇用しているが、そのうち、グローバルなビジネスをしているのは、35%しかない。国内人口だけではビジネスにも限界があるのだから、越境取引に展開するのは有望な選択肢である。APECはこれらを支援する。。。
とある。
だから今回8月のAPEC Work Shopでは、越境取引を進展させるための課題などがテーマとなっているのだ(ちなみに私は消費者保護の一環としてのODRについて話す予定)。
日本での越境が燃え上がった
日本でも、ネット取引なら海外に売らないとということで盛り上がった時期があったが、楽天が海外展開を次々よ撤退したりして、なんとなくトーンダウンの気配。反対に、amazonが日本を席巻している。今やamazonは米国企業だが、日本に倉庫を持ち、日本の製品を日本人に販売している。まるで日本企業。いや日本企業だ。
越境取引が「うまくいく」ということは
中国が大きな市場だと、ネット取引でリスクを回避しながら進出した企業も、多くは撤退したが、市場は膨らんだ。すると消費者の要望はなるべく早く配達されることになってきて、最近では物流と倉庫の提携により、中国でも翌日届くネット通販が主流になりつつある。amazonと同じように、日本の製品を得るが現地の倉庫から現地物流で配送される、もう中国企業といってもいい。うまくいくということは、そういうことだ。
かくして、ネット時代。わざわざ企業を現地に設立しなくても、消費者に販売できるネットビジネスは、うまくいった企業は現地化していく。トヨタが、SONYが、パナソニックがそうだったように。
まるで、螺旋階段をまわっているようだ。
さて。同じような景色だが、
我々は上に登っているのだろうか?あるいは下に降りているのだろうか?
ただ、これまではうまくいったといえるのは、現地化するくらい”相当うまくいった”場合だけだったのだが、MSMEのままでも市場を世界に求めることができるようになり、現地化しなくても、うまくいったと言える企業はでてくるということだ。