坂の上・坂の下【御散歩雑談】20191213
半蔵門のオフィスから市ヶ谷へ向かうには、電車だと永田町へ一駅、有楽町線に乗り換えて2駅。駅から歩くと10分かかる。合計で30分。
歩いて行くと、Google MAPは14分を示している。迷わず歩く。
しかしこれはまた曲者で、坂道が地味にキツイ。
まず事務所は新宿通りよりの坂の上にある。そこから一番町に向かって坂を下る。少し歩いて、南法眼坂を登る。やがて坂の頂上になり、すぐに下り。せっかく登ったのに。
そして坂を下ると、またすぐに上り坂。今度は、東郷坂。
東郷坂を登りきると、これまた、すぐ靖国通りへ向かって下り坂だ。
せっかく登った坂なのに、すぐ下り。降り切ったと思ったらすぐに登り。
まるで人生みたいだな、なんていうのは月並みすぎるが、そんな風に思うのは、よる年波なんだろうな。
そして、吉田拓郎の名曲 「マークⅡ」が耳の奥で繰り返される。
さよならが♪いえないで♪
シングル版ではなくライブ版のほう。
さよなーらがーいえないーでーというほうでないバージョンこそが私にとってのマークⅡだ。
年老いた男が〜♪
朝の子犬散歩中に、川面を見つめる髭面のおじさんがいる。まさにこの曲の情景だ。
打ち合わせが終わり、今度は、さっき降った東郷坂を登る。登りきるとすぐ降りて、降り切ったらすぐにまた、さっき降った南法眼坂を登り、登り切ったら、さっき登って来た法眼坂を下って行く。
拠点を持つと、そこからどこかへ行く時と帰りでは同じ道が正反対の光景を見せる。そんな風に日々がうつろう。同じ道を戻りたくなければ、拠点を設けず帰らないようにしなければならず、それはまた、不確定さをひきづることになる。
坂の上と坂の下。いつ振り返るかで違う景色が見えるだけだ。