【ODRピックアップ】20150915 やっと追いついたか
最新作上映中の「ミッションインポッシブル ローグネイション」はオモシロかった。家族は2回見に行ってます。私はきっと次回の出張時の飛行機内で二回目を見るかもしれません。
前作の最後で、見事使命を達成して仲間と集まったイーサン(トムクルーズ)に仲間の1人が、「イーサン、お前爆発を防いだときに、”使命達成”(Mission Accomplishment)って叫んだっていうけど、本当か?」と揶揄っていましたが、以前ほどスパイが特殊なモノで無くなったことを表しているのでしょうか。映画内でも、主人公は少し特殊な位置づけであるようです。
ユーミンの「時のないホテル」は、東西冷戦時代の恐らく東欧のどこかのホテルを舞台にしていますが、イスラエルの★のメモを持つ男や口紅に発信器を仕込んだカツラの女性は蜂の巣になり”広場”で死んでいく。。。そういうスパイの時代も終わっています。今は、寧ろ専業スパイではない人々が産業的な機密を盗み漏洩していく事例が密かに増えていると言われます。
(日経新聞朝刊 2015年9月2日 経済教室 東京大学 玉井克哉教授)
産業スパイ防ぐには 多様な捜査手法導入急げ FBI並みの組織を 玉井克哉 東京大学教授 :日本経済新聞
によれば、「日本企業が深刻な被害に合うケースは少ないと考えられていたが、それは実際に被害がなかったからではなく、気がつかないか、司法制度の不備で捜査対象にならなかったから」と指摘しています。特に日本では、産業スパイから営業機密を守る法制度が不備だったと。以下抜粋。
・未遂犯は処罰対象ではなかった。
例えば、サーバーに何度もアクセスして情報を盗んだとたんに痕跡が消えれば立件できない。秘密情報を盗むことに金を出した主犯は、実際の取引の現場にいなければ処罰対象にならない。
・国外犯は処罰対象でなかった。
クラウドで、たまたまサーバーが国内にあると立証できなければ処罰できない。
・罰金が1000万が上限。
売り渡しで巨額の利益を得ても、罰金1000万ならやり得。
日本がスパイ天国と言われた所以です。
しかし今国会で成立した改正法でこれらが全て厳しい罰則の対象になり、「やっと、米国や韓国に匹敵する制度になった」とされています。
ただ法律を整備するのは第一歩。今後は、組織整備や予算、その執行など所謂魂を入れる段階に入ります。
アクションは別にして、映画のような情報奪取戦の攻防が”静かに”起こるのか。。。