【ODRピックアップ】20151208 「知っているよ」と思って終われば進歩はできない
先週いっぱい、出張でフィリピンとタイにいってきました。日本から比べると経済格差も大きく、治安や貧富の差、人々の意識も大きく違っています。先進国から見れば、自分たちも”似たような時期”を経て現状の先進国と言われる経済状態になってきたわけですから、ビルが建ち並び、道路が整備され、しかしその途中経過の雑然とした様子、海外のお洒落なブランドや新しいサービスが街中に溢れるのは、まさに、「いつか来た道」です。
1.知っていると思ったら何も産まれない
ビジネスマンとしては、せっかく来ているのでマーケティング調査をしたくなります。受け入れられ方、ローカライズのされ方、人々の反応などは、見ているだけでも面白いものですし、日本に戻ってから、「現地ではね。。。」と訳知り顔で講釈をできるのは確かです。
ごく素直に見てしまうと、なにもかもが、「知っている」ものばかり。
今は行列ができていても、いずれ沈静化するものや、立ち上がりは遅いけれどこれから大きく広がっていくものなど、多少の違いはあれど、未来が見えてしまうものが殆どなのです。最低賃金の差から、低コストで提供できていても、いずれは物価が上昇していき、給与があがり、生活水準があがっていくと、格差がさらにでてくるあるいは、海外へ生産がシフトしていく、あるいは海外からの労働者を受け入れていく(ここは国策でわかれるところ)etc...「学ぶものはなにもない」というのでは、あまりにも不遜極まりないので、なんとか参考になるものを見つけようとさまよいますが。。。
2.特有すぎると応用は難しい
タイでは、友人にエスコートしてもらって(勉強のため!)風俗街を通過すると、道の両側からビキニ姿の美女が声をかけてきます。しかし。「女性は、2割。3割が男性。5割が元男性今女性」という特殊事情。これを日本に輸入できるわけもなく。次の社会勉強へ!
3.ゲーム的交渉からメニュー化へ
タイではタクシーはありますが、よりチープでリーズナブルな乗り物はトゥクトゥクというオート3輪がポピュラー。価格は交渉次第ですが、最初にふっかけられても200バーツ(600円〜800円)でタカが知れています。
Uberが注目されていますが、このトゥクトゥクも日本の観光地の人力車と同じように利用できそうです。
以下は友人の体験談。
これで寺院まで行こうと交渉し50バーツへ。価格はあってないようなものか?ところが、暫く走ると「ちょっと見せたいものがある」と寄り道で、シルクの店へ。最初はスーツを創らないかと持ちかけられ、ワイシャツはどうかとせまられ、結局ネクタイを300バーツで購入。そして、寺院へいくと時間がギリギリだったので、「すぐ見てくるから待っててくれ」と交渉、合意し、戻ってくるともういない。。。
友人曰く、「安く値切れたのは、シルク屋への紹介で手数料が入るからだったんだ」。「待っていても儲からないので分け前を取りにいったに違いない」との推測。
ぼったくりや、こうした勝手に売りつける店に連れて行くのも観光客向けの悪徳ビジネスの典型ですが、騙すのではなくて、もっとオープンにやれば双方にメリットがあるのではないかとも思えます。例えば、
1)トゥクトゥクは本来なら200バーツだが、
2)友人のシルク店で何か買ってくれれば100バーツにする
3)シルク店は、利益の一部をトゥクトゥクに還元する
ということをメニュー化しておくのです。価格交渉をゲーム化しないでメニュー化するということ。
これは応用できるのでは?