ロボットメディエイター【半蔵門ビジネス雑談】20190423
また新しい言葉でちょっと使いたくないんだが、記事がそうなっているのでやむなく。
これはODRの実務家では著名なグラハム・ロス教授による紹介による記事。
ロス教授とは2008年のODR FORUMでお会いして以来、各地のフォーラムで情報交換をしてきた。先輩のような同じ世代のような。。。年齢は聞かないことにしている。笑
ロス教授によれば、
このロボットメディエイターが裁判システムで使われたのは初めてではないか。
人間のメディエイターの代わりにAIのアルゴリズムを使って3ヶ月まとまらなかったケースを1時間で同意に導いた。政府提供のオンライン金銭紛争解決システムにカナダのSmartsettleONE*を(トライアル的に)導入したのだ。カウンセリングコースのクライアントからカウンセラーへの2000ポンドの未払いに関する紛争解決に適用されたものだ。当事者は、政府提供のシステムで電話による裁判所の公式なメディエーションでは解決に至らなかった。
*SmartsettleONEは、カナダのICan Systemsによって開発された。
ちなみに当事者の片方がロス教授やそのODRへの関わりを知っていたので、今回の試みに繋がり両者の参加を促したのはロス教授によるもの。
Smartsettleは、双方が金額交渉の提示額(公開)と最低ライン/最高ライン(非公開)をシステム投入し、戦略的な交渉のアルゴリズムを入力し、AI的アルゴリズムで自動交渉させるもの。最低ライン/最高ラインで合意できなければ、再設定してやり取りを繰り返す。
交渉の駆け引きをアルゴリズムに委ね、多くの人的労力を削減するものだ。保険会社には非常に適したツールと立証されている。
例えば、単純なケースとして、車が横道から出てきた事故の場合、保険会社は適度な金額で和解する必要があるとわかっているが、弁護士が手数料を稼ぐためにはそれを加味した金額で交渉を続けることになるだろう。保険会社は、ブラインドビッドを使うことで、交渉方針を明らかにしないで限界金額を早期に提示して、法律業務の手数料を節約できる。それがツールのいいところの一つだ。
ロス教授は、「メディエーターは仕事がなくなると嘆くかもしれないが、そうではなく、これを使って合意に早期に到達させる道具として使えばいい。」と述べている。
日本でも、法廷では使わないまでも、保険会社が自社のためあるいは保険金仲裁の第三者機関が導入すれば意外にうまくいくのではないかと思える。
「人間よりもよほど信じられる!」。。。
なんてね。
それのほうが問題か?笑