紛争でしたら八田まで(2)【読書/映画鑑賞】20200722
ウガンダ内戦他対立者同士に手をくませ解決した百合は、BREXITに伴うアイルランドビールの揉め事も解決。 しかし昔馴染みのオクサナにウクライナの揉め事の解決を手伝うよう強要されて、現地入り。しかし、枠組みに怪しさを感じ取り独自調査にはいる。
どっちがいいんだろう。
(1)紛争はないものととらえて、何かが起きてくるまで行動しないのと、
(2)紛争は起きることを前提として、先手を取らないとなにか起きてからでは遅いと、仕掛けていく、ことが起きないように策略するのと。
前者は、なにも起きない時間は長い。だから少し長い平和をかんじるだろう。しかし、ことが起きてから、最悪の場合、2度とかつての平和は戻ってこないかもしれない。なぜなら、もしも降伏に近い形で和平にもちこまれれば、決して有利な交渉にはならず、様々なコトで、処で、負けた側への負担や義務が増えてくるからだ。和平という言葉に包まれて、虐げられる場合がでてくる。
後者は、いつも擬似紛争状態になるだろう。先手を打つための戦い的アプローチ。少なくとも当該機関ではそうなる。緊張が持続する。防止の策略によりコトが起きないようにしていくのだから、相手方もやすやすと紛争をしかけてくることはない。緊張状態ではあるが、平和といえば平和だ。将来に禍根を残す不利な交渉に突入することも防げる。
紛争は、何かの紛争のフリをして起こされている場合もある。政治的争いのフリをして、実は個人的な復讐だったり、その逆もある。かつての味方の心変わりに憤慨しての紛争もある。可愛さ余って憎さ100倍。始末が悪い。
地政学だけが原因ではない知性とチセイがモノを言う八田の紛争解決。
紛争はないほうがいいのだろうが、ある場合には、潜在化させずに表面化させたほうがいい。表面化させないで”紛争がない”とするのは、実は、不健全な紛争、紛争の種を燻らせ、紛争マグマのエネルギーを蓄えて、いつしか大爆発を引き起こす。
また紛争の本当の種を間違えて、対処し、勘違い解決もまた、不健全な紛争の種を燻らせ、大爆発のエネルギーを蓄える。本来の種を見つけることだ。
八田百合は、そうしたポイントを見つけ出す。だから本来は争わなくていい当事者を協力させ本来の紛争をあぶり出す。
紛争解決に関わる人々にもコミックとバカにせず読んでほしい。