【ODRピックアップ】20160113 尋問癖
その昔異国の地で訴訟の証人としての日々を過ごしました。賠償金として要求されている金額がハンパではなく、負けたらいったいどうなる?と悩みの日々。しかも手厚いバックアップをいただいた企業の代表証人でもあり、それはもう強大なプレッシャーの日々でした。眠れないわ、おしっこはでなくなるわ、蕁麻疹はでるわ。。
紛争の体験4|“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~|ライフスタイル|ヨミモノ|QuonNet
数年に渡るタタカイのあと、なんとか勝訴して、今は自由に仕事をさせていただいていますが、実は最近、この訴訟のクセによる弊害に気がつき、悩まされているのです。それは、尋問癖。
誰かの話を聞くときも、誰かに話をするときも、尋問的な考え方が出て来てしまい、相手にもイヤな思いをさせているようです。既に被害にあった心当たりのある方々、ごめんなさい。
訴訟での尋問はある意味トリック的な部分も出てきます。例えば。。。
「あなたは契約をやめたいと思っているのですね?』(現在)
そうです
『あなたは訴訟の開始前にもう契約をやめたいと思っていたのですか?』(訴訟開始時)
そのときはできれば続けたいとも思っていました。
『あなたは以前に契約をやめたいと思っていたことはないですか?例えば彼らがミスをしたときとか。』(ずっと昔)
そのときは一瞬そう思いました。
「ではまとめます。あなたは彼らが過去にミスした時にも"契約をやめたい"と思った。そして、それが心の奥底にあった。だから、あなたは契約をやめるタイミングを探していた。そして、今回、彼らの失敗をきっかけに、昔から心に思っていた"契約を終了させる"ことを実行に移した。」
相手弁護士の尋問は、
現在の気持ちが、過去からも心の奥底に存在していて、実行するチャンスを伺っていた。そして今回のチャンスに実行に移した
といっています。つまりは、契約終了は仕組まれたもので、初期のある時点から契約をまじめに履行しようと思っていなかったという印象をつくろうとしているのです。
このような尋問を8年以上に渡って浴びせられ、それに対処することに頭を巡らせ続けたためでしょうか。会話の言葉の背景にあると推測される意味、そして、時勢が普通の人との日常会話においても、気になってしかたがないのです。
* * *
例えば。。
1時45分のタイムスタンプのメール
「食事も終わって、お客さまは立ち寄らず帰宅しました。私ももう寝ます。」
"食事が1時45分に終わって、お客様は帰宅し、自分も寝る"
なのか、
"食事は(別の時間に終わって)お客様は帰宅し、(それから時間がたって、私は1時45分に)寝ます"
なのかを確認したくなってしまうのです。
確認されたほうは、「それくらいニュアンスで分かるだろ?」と思うでしょうが、あやふやが気持ち悪くて仕方ないので、細かく聞いてしまい、最後にはイヤな顔をされてしまうことばかり。
とりわけ女性陣には評判最悪。家内、娘、友人。
これが仕事になると益々細かくなり。。。パートナー、契約先。。。もう本当にすみません。
でも、治らないだろうなぁ。