半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

ザ・プロフェッサー 著:ロバートベイリー

ザ・プロフェッサー 著:ロバートベイリー【読書/映画感想】20210624

 

2015年米国で刊行された法廷もの。トム=教授は、証拠論の権威として(事実最後の裁判では裁判官が手元にその著書を置いておくくらいの)法廷弁護士もやったが今は大学で教授として模擬法廷の大会で何度も生徒を優勝させてきた。しかし同僚の教授たちの陰謀で大学を首になる。しかも膀胱癌が見つかり絶望して故郷に引っ込んでしまう。古い友人から法廷に立って欲しいと頼まれ教え子を紹介するが、裁判ではピンチに陥った教え子がアドバイスを求めにきて相手が自分を陥れた元教え子と知る。

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小説だからだろうが、相手被告人は悪どすぎ。都合の悪い証人を殺害し、レイプし、脅し、買収し、こちらはどう見ても八方塞がり。もうだめだと諦めた若い弁護士の法廷に、教授が現れる。ドラマのように。ドラマだけど。そして、味方として呼んだ証人に裏切られたのを逆手にとり、その証人を敵性証人として反対尋問を仕掛ける。陪審裁判では証言が証拠にならなくても陪審員がどう捉えるかが重要だということを熟知した証拠論の権威ならではの法廷戦術。

小説だからと思うだろうが、実際に自分が巻き込まれた海外企業との訴訟では、相手に不利な証言をする私をテロに見せかけて暗殺する懸念があるとホテルに軟禁状態になったこともあるので、そうとも言い切れないことは実感する。詳細は、こちらを見て欲しい。

上述の訴訟(実際は仲裁)でもあったのだが、最後の最後で決定的な証拠が出され、採用され、劇的な幕切れをする裁判も実際にはあるのだろう。まるでドラマのように。

 

そうだ。実は私もこの仲裁の後、腫瘍が見つかり手術をして3ヶ月入院した。しかも今年はその17年前の手術に起因するウィルス性の脊髄炎で入院しているので、教授の心持ちに重なってしまい、のめりこんで読んでしまった。教授は裁判の後、病気を克服し、教え子と弁護士事務所を立ち上げる。私も、退職後に今の会社を作っている。なんと一致する符号に溢れているのだ。

 

違いは、こっちは教授じゃないこと。チャンチャン♪