【ODRピックアップ】 20160304 紛争の心得
裁判沙汰という言葉は、日本では「問題だ!」というニュアンスで使われる事が多いのではないでしょうか。
「正気の沙汰ではない」「表沙汰にしたくない」「色恋沙汰に現を抜かす」「警察沙汰になったらしい」。。。などなど。そうした状態になりそうだと、ビジネスでも個人的にも、相談すべき先は、法曹=弁護士さんになる訳ですが、小さい企業や個人ですと、費用のことや、普段そもそも馴染みがないため、気軽に相談できるところがなく、結果として、私のようなところへも、「紹介して」、「話を聞いて」という問い合わせが多くなります。しかし、法的なコメントを行なう訳にはいかず、これまでのブログに掲載した事例や事実を元に「体験談でよければ。。。」とお答えするまでとなります。例えば。。。
弁護士さんは依頼人の味方
報道されているように、刑事事件の犯人にも弁護士がつき、無罪あるいは減刑することに尽力します。どう考えても相手が悪いのに、相手の弁護士さんはスゴい主張をしてくることがあります。しかも自陣の弁護士がそれに負けてしまう。
弁護士は法に基づいて正義の為に戦うのではないの?
いや、弁護士は依頼された人の側にたって、代理人を努めるのです。もちろん、違法行為は行いませんが、そうでない限り、極論すれば悪人の味方にもならなければいけないのです。
教えてくれない
紛争の体験3|“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~|ライフスタイル|ヨミモノ|QuonNet
訴訟や仲裁では、相手の弁護士もプロ。事実をいくら口先で繕ってもボロはでます。そして弁護士さんは、どう答えれば勝てるかは、教えてくれません。事実と真実を、心からの言葉を語れるように、ヒアリングし、主張をまとめ、敵の弁護士の目線で質問してトレーニングしてくれます。決して、訴訟の本番で、証言の根拠に、「弁護士さんに言われた」などと口を滑らせないように。。。。
事実に固執しろ、真実を語れ、冷静でいろ
紛争の体験2(真実を証言する)|“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~|ライフスタイル|ヨミモノ|QuonNet
証人としての鉄則は、これにつきます。事実でなければ認めるな、しかし、真実を語る心からの言葉はきっと裁判官や仲裁人に伝わるでしょう。但し興奮して、証言を破綻させないこと。あなたの証言すべてが信頼されなくなってしまわないように。落ち着いて落ち着いて。
弁護士も演技する
裁判傍聴 「武蔵スタイルで遅れてきた?」|“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~|ライフスタイル|ヨミモノ|QuonNet
どんな証拠より、証人を怒らせて裁判官の心証を悪くし、証言全部が信用できないと思わせるのが効果的。相手の弁護士は、あなたを、証人を、怒らせて、混乱させてくることもあります。演技もウマい。「あなたは勤務時間中に、個人的なメールを打っていたのですか?」等々。
苛々は禁物。
偽証はできるものなのか?
紛争の体験1(偽証はできるものなのか)|“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~|ライフスタイル|ヨミモノ|QuonNet
できそうな気がしてしまいますが、まずムリ。偽証して、万が一判明した場合のことを考えてください。そんな度胸ありますか?
その後の関係をどうしたいか?
刑罰を除けば、裁判は白黒つけて、どちらかが決定的に悪くなり、金銭決着。強制執行力もあります。不服としてどちらかが上告すれば、最高裁まで行きます。費用と時間とそしてビジネスを失ないます。もし、ビジネス関係を続けたいのなら白黒ははっきりしない面もありますが、調停や仲裁のほうがいいことも多いでしょう。ただこれは両社が合意しないと始まらないのですが。。。
裁判外紛争解決(ADR)というのもあるんです|“法務がHomeにやってきた”~Homu is coming Home.~|ライフスタイル|ヨミモノ|QuonNet
白黒決着しないほうがいい場合もあります。白黒はつきませんのでもやもやはしますが。
例えば、開発関連の紛争で、未完成だからお金払わない、今後は契約しない、損害賠償を払え。。。片や、これまでムリしてきた、赤字が大きい、仕入れもある、パッケージを使ったのだからウチだけのせいじゃない。。決着をつけたとしても、これまでの投資が無駄になり、ビジネスも途絶え、あそこはすぐ訴訟する会社だと警戒され。。。いいことはない。
ここのドラマ形式の事例ビデオはこの辺りをリアルに描いています。
「ソフトウェア紛争の仲裁・和解あっせんドラマ「Alternative Dispute Resolution―あるソフト紛争の顛末―」」
一見の価値あり!