【半蔵門ビジネストーク】20170510 任意保険に入る最大の意味
急逝した叔父の葬儀に向かう途中の高速で妹からLINEが入ってきた。
「お母さんバイクで転んだらしいよ」
軽い怪我のようなニュアンス。
「気をつけるようにいわないとね。」
再度のLINE。現実には、車とぶつかったらしい。病院にいっているそうだ。心配させまいと軽く言う癖。配慮の嘘。でもそれが手遅れを呼ぶこともある。
真相は、一時停止の交差点で、止まったが見通しが悪いのでそろそろと前に出ていき、結果確認不十分でスタートしてしまったのだろう。左から来た車とぶつかり転倒。激突はしなかったものの転倒、母は右腕、手首骨折の重症。全治二ヶ月。老齢なので治らないかもしれない。
また、原付きバイクでの任意保険未加入判明。相手の保険会社との直接のやりとりとなる。
以下は事故処理の経過顛末。直接のやりとりをすることで保険のことを少しわかったので素人の立場からここに共有。
- 物損事故か人身事故か
現場検証では、葬儀に急ぐと伝えたため救急車を呼ばずに帰宅し、その後病院へいってから怪我の具合が判明したが、警察の現場検証では事故は物損で処理されていました。保険会社は(うたがいはあるものの)怪我なし=物損と判断したもようで、以降物損事故として進んでいたようです。これが、後の不快なやりとりに繋がります。
- 一番大変なのは補償の交渉
任意保険に入るメリットは、物損の保険金額は勿論ですが、事故の賠償処理手続を委ねられる点にあります。今回は、代理で自分でやることになりましたが、相手は保険のプロであり、商売上なるべく保険金を支払わない方向に進むことは当然でしょう。そうなると一番重要なのは、過失責任割合となり、事故のパターンによって割合は相場があります。
ただし、細かな条件によって、あるいは判例によって、過失割合が変更される場合があるようです。
今回の事故(バイク側一時停止すべき道路、車側:やや広い道路)でも、同速度の場合は、65:35ですが、バイクが一時停止後に侵入した場合は、45:55になるなど。
- 保険会社の冷酷なプロフェッショナルな主張
保険会社の担当者と話をして愕然としたのは、(物損事故扱いで始まったせいもあるが)「そちらが悪いので人身補償はでません」という言い分。
私の調査では、
自賠責では、ケガをした人が被害者
自賠責保険では、過失の大小に関わらず、ケガをした人、死亡した人が被害者となります。
被害者の過失が7割未満であれば、減額はありません。
にも関わらず、前述のセリフで驚きました。少し話をしましたが、当社の方針一点張りなので、「ではこちらも専門家ではないので顧問弁護士にはいってもらいます」といって電話を切りました。
その後、留守電が入り、「相談の結果、自賠責が使えますので書類を送ります」との回答。やっぱりね。。。
保険業を生業にする担当者なら、「救済」を切り口に仕事をしていただきたいものです。支払額を最小化することに頑張るだけでなく。。。
- 教訓
怪我があるなら人身事故にすべし(救急車よぶのが正攻法)
過失割合の事前知識を得ようあるいは調べよう
任意保険には入ろう!!(保険知識なく交渉は本当に疲れる)