【読書/映画感想】20170529 なんで題名がパルプか?
amazonの欲しいものリストから送られた本の感想です。
日本翻訳史上の最高傑作と言われたこの小説。
チェールズ・ブコウスキー「パルプ」。
”パルプ”とは、かつて米国で、三文小説や記事が印刷されている安物の紙質の雑誌がパルプと呼ばれたことから来ている題名だ。決して内容を現している訳ではない。いや。安っぽい探偵小説には違いない。
兎に角主人公がもうパルプ。三文探偵。
「オレはニッキービレーン。私立探偵だ。」
というフレーズは、何度もいろいろな他者の作品でも聞くフレーズだ。
例えば、コナン。
「おれは江戸川コナン。探偵さ。」
同じコナンに登場するのは、
「私の名は毛利小五郎。名探偵だ」(笑)
おそらく本物の名探偵は名乗らない。笑 名乗ったら仕事がしにくくて仕方ないだろう。
本編は、支離滅裂というか星新一のショートショートの連続みたいに、次から次へと事が起こり、何一つ解決しない、というか、しようとしないまま、飲んだくれて、何も起こらない。
- 友人?のバートンの紹介でやってきた最初の依頼者は死の貴婦人。死んだ筈のセリーヌを探せという依頼。
- そしてそのバートンは、赤い雀を探してくれと別の依頼を持って来た。
- そして、宇宙人につきまとわれている男からの依頼と、
- その宇宙人の美女 ジーニー・ナイトロからの依頼と、
- そして、妻の浮気を抑えろという男からの依頼を追うと、死んだ筈のセリーヌがその妻とあっている。
- 追跡して逃がすもまた新たな依頼者が現れる。。。
- 赤い雀を持っているという金貸しに騙され。。
というドタバタが起きているのだが、緊迫感がない。どうしようかと悩むうちにパインと瓶から酒を飲んで寝てしまったり、結局競馬場ですっていたりするのだ。ちなみに登場する女性はみんな美女ばかりである。
そしてどんなに切羽詰まったようになっても、椅子にもたれて煙草を深し、完璧な煙の輪っかを吐き出すのだ。事件解決に向かう前に、とりあえず。