【半蔵門ビジネストーク】20170601 開けない高価なワインの価値
誰かに高価なワインやウィスキー、バーボンなどをプレゼントされることがあります。決して自分で自分用には買わないような高価なそれ。いただいたものの勿体なくて
「何か嬉しいことや大事なことがあったら開けよう」
と仕舞い込み、結局そのまま。
子供が成人したら、とか、彼氏ができたらとか、イメージはありましたが、成人して彼氏ができても結局飲まずじまいで、今でもワイン棚に眠っています。いったいこれらはいつ飲むのか。。。
飲まないワインの価値とはなんなのでしょう?
使わない貯金にも似ています。
子供のころには、お金は使わず貯金しておきなさいといわれたものです。そして、大事な時に使いなさいと。このことは正しいのでしょうか。大事なときとはいつなのでしょう?
お金の価値は相対的な側面があります。
例えば、昔と今では、市場での商品の価値は違っています。例えば、車。
初代カローラは、528,000円でした。
この時代に、「将来カローラを買うかもしれない」とお金を使わずに金庫に入れておいたとします。
今カローラを買おうとすると、200万円以上。
あの時金庫にしまった528,000円を金庫から出してきて、今のカローラを買おうとしても、4倍近い価格になっていて買えません。あの時買えばよかった。お金そのものの額面は変わらなくても、物価があがってしまえば相対的にお金の価値が下がってしまうので、お金をためておくことが必ずしも正しくないのです。
使い途によっては反対の場合もあります。
初代カローラの時代の為替相場は1ドル=360円でした。528,000円をドルに両替すると1466ドル。今は1ドルが120円前後なので、貯金した528,000円を今両替すると4400ドル。3倍です。この場合は、あの時使わないで正解でした。
さて。
昔も今もカローラを買わずに金庫の中にしまっておいたら?車には乗れません。ドルに買えて旅行にもいけません。でも額面はそのままで減らない。よかった。。。
よかった?
それは開けない高価なワインにも似て、なにももたらさない。
もちろん、未来はわからない。価値は変動してしまうかもしれません。でも、使わないと何ももたらさない。金は天下の回りもの。
開けない高価なワインは飲むまでワインとしての価値はないのです。