【半蔵門ビジネストーク】20170914 都内のタクシー初乗り値下げで嬉しいのはだれか?
先日、出資先の株主総会後、懇親会会場へ移動するために新宿近辺でタクシーに乗った。なかなか捕まらなくて乗り込んだあとで運転手さんと会話。
「初乗り410円になってどうですか?」
曰く。
- 中距離で2400円くらい以上になると今までより割高になるので中距離のお客さんは文句を行っている。
「ちょい乗りの人は増えているのではないか?」
曰く。
- 確かに増えているが今まで730円だったので明らかに売上は減っている。
- 3割くらいは減っている。
- 駅で乗せるタイプの営業をしている人たちは一日1万円だった人は7000円に。月に換算すると30万だったら、21万になっている計算。
「それは打撃が大きいですね。」
曰く。
- そもそもふれこみは高齢者などタクシーが必要だが高くて乗りにくい人たちを呼び込もうということだが、高齢者は1000円でバス乗り放題だからタクシーにはそもそも乗らない。
- 結果、初乗り圏内の乗車が増えて、距離は変わらず売上減。
- 中距離は金額上昇で不評。敬遠の傾向。
- 狙いの高齢者層は呼び込めず。
- 運転手は売上減の人が多くなった。
というわけで誰も嬉しくないという結果だということだ。
そんな話を聞きながら目的地到着。4名で乗っていたが初乗り圏内。410円。1人125円の売上だ。恐縮しながら降りて会場へ向かった。
当然だが値下げは売上を減少させる。
売上を増やすには数量を増やすしかない。
しかし値下げが必ずしも人を呼び込むわけではない。
記事ではこう言っているが、運転手さんによれば、
単価が下がって乗る人が増えるのはいいけれど、移動速度が速くなったわけではないので、同じ距離で安くなるということは、回数を増やさないと売上高につながらない。つまり今まで10人乗せればよかったのが13人乗せないといけないということだよ。
値段で動く市場を追うことは短絡的な正解にならないことが判っていることなのにどうして値下げに走るのか?大量消費の時代はもう終わっているのだ。