悲しきおじさんたち【半蔵門ビジネス雑談】20191118
数十年に1度の大型台風が通過後の成田空港は、飛ばなかった便の振替便待ちのお客でごった返していた。チェックイン待ちの行列は大混雑で特にどこがどの行列なのか、どこか最後尾なのかがわからない状態。深セン行きのカウンターも同様で、エコノミー列が長く伸びて、さらに途中で2列に分かれている。その箇所にくるとみんな「はてどちらへ?」と迷うが、空いている方には落とし穴がありそうなことを感じ取ってみんな長い列に並んでいく。結果、一つの列は空いている?ように見えて来た。
入り口には特になにも書いていない。そして、列の先頭も特に特殊でもなさそうだ。
見極めて私は空いている列に進んだ。その後も空いている列には誰も入ってこない。相変わらず先頭には特に変化はなく多少遅いようだが進んで入る。進みが遅いのは、カウンターが1つだけだからだ。列が短いのでそれでも割りはあうように思った。
やがて、ひと組が空いているほうに入って来た。
「なんでこっち空いているの?」とヒソヒソ声。
「あのおじさんに聞こう」
一人がカウンターの周囲で立っているおじさん?おじいさん?の係員に聞きにいく。
「この列の違いはなにか?」
最初は意味が通じなかった。
「ここは、深セン航空、あちらはタイ航空。」
そりゃ誰でもわかる!!
質問は同じカウンターに向かう2つに分かれた列だ。
おじさんもわからず列の後方へいく。しばらくして戻ってくる。
「こっちは団体」
書いてないでしょ????
まあ、そう言われたがもう随分長く並んでいるのでそのままいることにした。並んでいる人も団体さんはいないようだし。
でまあ、その対応はいいとして、その後、そのおじさんを見ていると、列を整理するでもなく、チェックインを手伝うでもなく、ほかの同じようなおじさん?おじいさん?たちのところへ戻って雑談をしている。
お客に目をくれることもなく。
中にはトイレにいくおじさん。帰って来て看板の影に隠れて戯れるおじさん。やがてお先にといいながら業務終了していくおじさん。
台風後の大混雑をこなし、ほっと一息なのかもしれない。
引退後、定年後、定年間際?の、もしかすると再就職か。指示待ち世代?バブル世代?いや引退間際なら、自分と同じ世代だ。でも、お客さんを見ているとは思えない。
時間を過ごせば給料をもらえる。苦情にならなければ問題にならない。
でもでもでもでも。
なにかその姿勢に、その振る舞いに、その無関心さに、悲しくなり、もやもやとしたまま、チェックインの順番が回って来た。
そして、もやもやも忘れた。
(夜 腕立30)