オンライン学会のITワンポイントメモ(2)【半蔵門ビジネス雑談】20200805
前回の(1)では、オンライン環境への配慮や、操作方法の周知、万が一の切断対応とバックアップ、チャットの保存など、リスクへの配慮や備えについてをまとめたが、今回は、参加者や主催会場などトータルの環境とそこにまつわる配慮点について、特に、音声に関して、意外にトラブルとなり、聴講者へのストレスになる、ハウリングについてのワンポイントメモとする。
- ハウリング
参加者がどのような場所から、どのように参加してくるかによって生じる、音声系トラブルで典型的なのはハウリングである。ハウリングは、スピーカーから出てくる音をマイクが拾ってしまい、それがまたスピーカーから出力され、エコーのような状態、果ては、フィードバック効果でのピーという不快音である。
- 想定構成
学会のオンライン開催での構成として考えられるのは、
1)全員が別々の場所から個別にオンライン接続
2)サテライトが複数あり、サテライト単位でオンライン接続(サテライト外部から個別に接続も含む)、ただし、サテライト内には他の接続PCはない状態
3)サテライトの内部で、サテライト単位のオンライン接続に加えて、サテライト内部で個別にオンライン接続する端末がある
- 構成別注意点
1)2)については、各参加端末PCの場所に、1組のマイクとスピーカーがあると想定するが、マイクがスピーカーの音を拾ってハウリングするには、マイクとスピーカーが向き合わなければ、また、スピーカー出力音量が余程大きくなければ、起きにくい。
また、窓が多い場合、カーテンやブラインドなどを閉めないと、音がガラスに反射してハウリングにつながることがある。カーテンやブラインドは閉めるようにしよう。
2)については、参加PCは1台で画面は大きなスクリーンに映し出している状態を想定すると、スピーカーは多少大きめに音量を出すことになる。マイクの位置に配慮は必要だが、写真のような専用マイク、スピーカーの設備などを使うことを勧める。
一番制御に調整がいるのは3)のケースだ。
機器構成としては、サテライト用のメインとなるスピーカー/マイク内蔵の設備があるとして、さらに、各参加者が自分のPCを接続し、そこからもマイクとスピーカーの音声入出力を行なっている場合がある。
この場合、図にあるように、主マイク/スピーカーの機器から出力された音声が、個別PCのマイクで拾われてしまい、それが再出力される。さらに、その出力を主マイクが拾ってしまい、ハウリングやエコー音響になるのだ。
このような構成の場合は、個別の持ち込みPCではマイクもスピーカーもオフにしておくことが必要であり、出席者への理解を求めることになる。
- マイクスピーカーオフの副作用
また、「個別の持ち込みPCではマイクもスピーカーもオフ」をお願いすると、TV会議システムの「スピーカーモード」に反応しなくなるので、もし、個別PCの画面を採用して表示したい場合には、主催者などが手動で、画面を切り替える必要がでてくる。
さらに、画面を切り替えると、「音声ミュートを解除するか」システムが聞いてくるが、これをオンにしてしまうと、主スピーカーの音声を拾い始めてしまい、ハウリングの原因になるのっで、それも事前に操作の徹底が必要である。
あちらを立てればこちらが立たず。