2020年WTA年次総会オンライン【半蔵門ビジネス雑談】20201221
2020年、2021年と副議長を拝命しているWTA - World Trustmark and trade Alliance
World Trustmark and trade Alliance – Building Global Trust
当ブログでも何度もその活動を紹介させていただいている。
今回のテーマは、こんな時代だからこその「信頼」。
コロナという阻害要因が、各国間の物理的人的往来を大幅に制限したため、却ってオンライン取引は増加していると推測される。実際、観光産業が打撃を受けており、ネット取引への期待も大きいだろう。不確実な時代であるからますます信頼できる取引が期待されており、同時に、情報の流通が国境を越えることによる新たな問題、それに対する対応が重要となっている。
技術的開発進歩は、今回のパンデミック化におけるロックダウン、リモートワーキング、そして社会的距離の強制化においても、突破口となっている。こうした環境下で、「信頼」は人的、ビジネス、経済における不可欠なキーワード。企業の取引での信頼のおける対応は、消費者信頼を獲得しており、生活に欠かせないことものの取引環境にも信頼が必要だ。技術は、今や自己規制、透明性確保と説明責任のために信頼のおけるものでなければならない。不確実な時代ながら急激な技術進化をとげ、成長する経済を持続させていくために、全ては、信頼の上に成り立っている。(WTA年次総会開催テーマ)
またいくつかオンラインならではの配慮点も。
- オンライン開催
年次総会は秋に開催されてきた。加盟国のいずれかで持ち回りでホスト国を務め、関連イベントなどとも結びつけながら、時にはAPEC、時には地元のeCommerceイベント、ホスト国の国際的な集客力のために、あるいは、時には現地ツアーなども絡めながら地元観光産業への貢献なども絡めて開催されてきたが、今年はコロナ禍でオンラインをやむなくされ、Zoomでの開催となった。
- 時差調整
加盟国は、東アジア、東南アジアだけでなく、米国、南アメリカ諸国、欧州にも及ぶため、オンライン開催の場合に配慮するのは、時差と使用できる会議ツールなども考える必要がある。結果としては、開催はアジア時間中心だが、米国東部は開始時間(夜21時だが了承もらって)にスピーチをお願いし、欧州は終了時間が欧州の朝9時なので最後に登場という調整。
- ツール
会議ツールは、中国でZoomが使えなくなるという報道が以前にあったので、アンケートを実施し、使用できることを確認した。
オンラインの利点の一つは参加するスケジュール調整がしやすいこともある。今スピーカーは各国から主要なプレイヤーがスピーチを行った。拡大するeCommerce、国境を超えた取引、国境を越えるデータ、その保護、活用、支えるセキュリティ技術、悪用されることへの対処など、重要なトピックが網羅されたと思う。
Keynote: Future of inclusive e-commerce (20 min) Prof. Wang Jian, Chair of APEC ECBA & Professor at School of International Trade and Economics, University of International Business and Economics |
Keynote: Regulatory trend of accountable cross border data (20 min) Ms. Hilary M. Wandall, SVP, Privacy Intelligence and General Counsel, TrustArc Inc. |
Guest Speech: Realizing Cross-Border Data Free Flow (20 min) Mr. Mitch Chihara, Senior Manager, International Strategy Office, Japan Electronics Information Technologies Industries Association |
Game changer in IOT security (20 min) Dato' Ts. Dr. Haji Amirudin Bin Abdul Wahab, CEO, CyberSecurity Malaysia |
The global state of scams 2020 and status update (20 min)
Mr. Jorij Abraham, Managing Director, Ecommerce Foundation
トラスト ー 信頼 ー は重要だ。eCommereだけでなくなににとっても重要だ。重要視して厳しくするだけでなく、許容することも必要であろう。
信頼には固定的な形はない。人々はどういうことに信頼を見出すのか?
名刺?論文?所属する企業?発言に責任を持つこと?
それらはみな信頼の要素である。さらに付け加えたいのは、継続性。いつもそこにいる、あることが信頼に応える一つの形になる。それからもう一つ、信頼は、期待と結果のギャップに生じる。安定品質や安定サービス、期待通りのサービスに応えることはもちろん、変化することへの期待もある。ずっと同じサービスへの期待に応えるとともに、変化するサービスへの対応もまた、信頼に応えることにつながる。変化しないことが信頼を失うことにつながることもあるのだ。
なお開催後のレポートはまた後日。多分年明け。