半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

連鎖する

連鎖する【たまプラビジネス余談放談】20220715

 

先週の金曜日、前日の英国ジョンソン首相の辞任があり、少しだけ世界的政情不安の気配、しかし自分らの朝の業務連絡会議はいつものように行われた。週報報告をまとめて顧客先に送信し、少し休憩。そろそろ昼だなと思っていたら安倍元首相銃撃のニュースが入った。

 

TVはテレ東以外は臨時ニュースに切り替わる。報道、映像では、カメラを装った改造銃的な武器で背後から至近距離での発砲と見え、演説中の背後に犯人らしき人物の姿が映っている。SPの警備などへの批判もあるがそんなこと言っても仕方ない。カメラを装って撮影の形を取られれば隙もできる。ただ警戒のレベルを厳しくすれば防止できる可能性のあるものでもある。これまでの日本での警護意識を変えることになろう。最低でも防弾チョッキは欠かせなくなる。

 

経済状況、政情は、個別に、それぞれに、連鎖している。

 

ここ数年の、米国の世界警察的立場から徐々に退く動き、フィリピン駐留米軍の引き上げ、BREXIT、EUの綻び、中国台頭、コロナ禍のボディーブロー、ロシアのウクライナ侵攻、その長期化、NATO、ロシア居直り、そして冒頭のジョンソン首相辞任、続く安倍氏狙撃。

 

米国の変化の引き金は経済情勢が一因。経済の伸びと安定が安全保障秩序を維持していた。よく言われる「分相応の経済」よりも「少し上への経済成長」を目指さないと不均衡が顕在化する。顕在化は暴力の姿をしていることも少なくない。”歴史”は学問的歴史、過去の積み重ねというだけではなく、有機的反応で連鎖して起きる”現在”の積み重ねである。

 

政治家、リーダーは、国民に優しく見えなくてもよいと考える。むしろ未来を考えて必要な発言をし、批判にも晒されながら施策の実現に向かっていくべきだ。ただし理解を得る努力はしなければいけないし、国民はそれを聞き届ける態度を取らなくてはいけない。それらの態度も連鎖する。いい方向への連鎖を実現する意識は全員に必要なことだ。一部政治家から時々聞く「ダメなものはダメ」という反論は駄々子のそれだ。

 

その意味で、報道も批判に偏るだけの報道はやめるべき。批判する内容でも肯定する側面があることを、肯定する内容にも批判する面があることを、偏らずに報道しなければ無意味な対立、憎悪の増幅、どちらにも組みしたくない場合には無気力を育んでしまう。

そして各自が自分で考えなくてはいけない。思考を止めないで。「他にも方法があるはずだ」という提案もどきに潜む思考停止。さまざまな批判に潜む思考停止。あいつは右派だ、左派だという思考停止。人種差別という思考停止。誰かの陰謀だという思考停止。思考停止も連鎖する。

 

連鎖を”断て”ということではない。連鎖を”意識せよ”ということだ。

 

安倍元首相のご冥福をお祈りします。