【ODRピックアップ】20131114 OSも無料化する。その未来。
マイクロソフトのWIndows8.1へのアップグレード無料化に続いて、アップルも最新OS X Mavericksへのアップグレードを無料とすることを発表し、同日に配布を開始しました。私もさっそく、新規に導入したばかりのMacBook Airにインストール。電池の持ちが格段によくなり嬉しい限りです。
http://wired.jp/2013/10/24/apple-ends-paid-oses/
つい先日、Yahooショッピングも出店料の無料化を発表しました。あるビジネスの主要な収入を無料化するということは、それ以外のところから収益をあげようという戦略とセットになっている筈です。そうでなければビジネスはなりたちません。Yahooショッピングの場合は、彼らの発表によれば、「広告収入へのシフト」となっていました。
それでは、アップルの場合は?
同社の収入源は、いくつかあります。一つはマッキントッシュコンピューター=iMac, MacBookシリーズ、iPhone, iPad, iPod。つまりはハードウェアと、iTunesによる音楽、映画などのコンテンツです。すでにiPhoneやiPadではOSはハードウェアを購入すると無料でついてくる。。。というより離れられないもので、ついていて当たり前のものです。そういえば、アンドロイド端末系もOSは不可分。消費者にとっては無料でついてくるものと位置づけられています。
マイクロソフト社は、Windows8.1の同社の最大の収入源であるOSの最新版へのアップグレードの無償化に踏み切りました。同時期に、ノキアを買収し、サーフェスを発表し、ハードウェアを扱う会社へ舵を切ったようです。
アップルは、そればかりか、Mavericks版では、主要なアプリケーションであるiWork, Pages, Numbers, Keynoteも無料でダウンロードできるようにしており、これで所謂オフィス系は購入しなくても使えることになりました。
これは、かつてのメインフレームメーカーが提供していたアプリケーションの領域(例えば、NEC製のビジネスパソコンN5200シリーズに付属していたLANWORD=Pages, LANPLAN=Numbers, LANFILE, LANGRAPH)と同じようになったと言えます。
Windowsでは、これまでもプレインストール版として、消費者には価格が見えないようにして販売されていた例はありますが、主力のオフィス系アプリケーションを無料と銘打ったのは初めてです。
アップル社も、マイクロソフト社も、グーグル社も、OSは無料化、ハードウェアを販売し、クラウドでサービスを有料で提供する。アプリーケーションやコンテンツは有償。かつて、マイクロソフト社は、それまでホスト機メーカーのビジネスモデルに占められていた垂直統合、ハードウェア有償、ソフト無償の世界に、水平統合ビジネスモデルを導入し、それまでの構造を変えてしまいました。
かつての垂直統合モデルでは、アプリケーションも各メーカーが供給するものしか使用選択肢はありませんでした。コンピューター自体が個人用ではありませんでしたので、ソフトウェアベンダーは、数多く販売するという市場ではないため、どうしても垂直統合の中でコンピューター機器メーカーに縛られるという状態でしたが、マイクロソフトの個人用OSが水平展開され、どのメーカーの機器でもWindows対応であればアプリケーションも動作することになり、ソフトウェアベンダーにとっては、市場規模が広がり、可能性が広がりましたが、今また自身が崩したモデルに回帰しようとしています。