【ODRピックアップ】20140116 教えないけど教えて
理由は、Skypeの通信が暗号化されていることにより、政府からの監視ができないためだそうです。
http://wired.jp/2013/04/02/saudi-arabia-skype/
これはblackberry普及時期にも持ち上がりましたがそのときは回避され、Blackberryは導入されました。
このときの理由も、今度なセキュリティ技術によって守られたBlackberryでテロリストによる情報交換が行われることにより、政府がその情報を検知できないことが問題視されたためです。BlackberryのRIM社(リサーチインモーション社 現Blackberry社)は、「国ごとに対応を変えない」ことを原則としていますが、どのような決着をみたのかは明らかにされていませんし、両者のコメントからは、はっきりしたことがわかりません。
一方、オバマ大統領は強固なセキュリティで暗号化できるBlackberryしか使えないようです。
http://1topi.jp/curator/ishlumi/1312/05/394203
一連の文脈でポイントとなるのは、
政府が(製品の)暗号化”セキュリティ”を利用する理由、これは当然、機密情報が漏れないようにということです。
反対に、政府以外が、暗号化された製品を使用すると、政府にとってまずい情報(たとえばテロ情報)をいざというときに傍受することができないから、利用を禁止するということ。
立場を変えると、政府にとってまずい情報を送受信する人々(例えばテロリスト)にとっても、同じことで、自分たちの作戦情報が漏れないようにしたいし、政府の情報は傍受したいということ。
どちらも要望していることは、
こっちの情報は”教えない”けど、そっちの情報は”教えて”ね。
情報が簡単に漏洩しないように、製品は強固なセキュリティを備えました。相手によって対応を変えては、その信頼を損ないます。製品が両方の要望を満たすことはできないということになります。
誰もが予想できるように、政府関連機関がとる対策は、
米英情報当局はほとんどの主要スマホに侵入可能---ドイツ誌が報道
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130909/503244/
と、なりますね。米国家安全保障局(NSA)と英政府通信本部(GCHQ)は、2010年3月には、暗号解析に成功しているとのこと。そのこと自体も機密ですから、確証はとれないでしょうが、例のスノーデン氏の暴露情報がもとになっているようです。
英米がblackberry等の国内での利用を問題にしないのは、これが理由でしょう。反対に、サウジアラビア等が導入を問題視するのは、暗号解析ができていないということ。
”このこと”によって、政府の対応、対策はかわるということです。
日本は?
Blackberryも、iPhoneも、Skypeも導入禁止されていません。でも、英米の解析技術は入手できていないでしょう。これはどういうこと?なにか特別な方法をとれているのでしょうか。たぶんとれていないよね。では?
日本はスパイ天国といわれています。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131106/255550/?P=2
決して対策ができているからではなく、無頓着だからにすぎないように思います。
「誰が何と言おうと、国家による諜報活動は止まらない。だからこそ重要なのは、諜報活動は国家にとって必要不可欠なものという前提に立って、どのようにそのルールを定めるかにある。どうせやる人に対して「やってはいけない」としか言わないのは単なる思考停止に等しい。また、相手国がそのように諜報活動を行うという前提に立って、自国の機密情報を守るためのルール作りをすることも必要」
でも、
「こっちの情報は”教えない”けど、そっちの情報は”教えて”ね。」というのを、手っ取り早く情報システムで実現することはムリがあります。だからといって、なんでも使用禁止では、抑圧的過ぎ、なんでもOKではスパイ天国。
「政府がこっそり覗ける」”監視社会”もいやです。
とすると、秘密の公開、管理に関するルールで、”運用”するのが、気持ちよくいけるかなと思います。