【ODRピックアップ】20140320 応用が重要だ
20年前。
前職でイスラエル関連の業務に携わっていた頃、交渉のテーブルに乗ってきた技術や製品の多くはその土台を軍需技術に置いていました。
動画上の飛行機の”形状を捉え自動追尾する技術”は、動画内のターゲットを追跡し、動画上での目標物をマウスクリックすると該当する情報が表示されるシステムになり、”衛星写真の圧縮、送信、復元の技術”は、TV会議システムになり、飛行機を整備する人が活用した”マニュアル検索技術”は、今のgoogleの検索のような全文検索に発展していきました。そのほかにも、複数の写真を元に3Dデータを生成する技術など、当時は日の目を見なかったものも、昨今で応用されたり、流用されたりし始めているものもあります。
「軍需」というだけで眉をひそめる向きもありますが、「それ」が技術の発展を推進してきたのも事実。技術そのものが悪いのではなく応用の方法が重要です。ここでは、よい応用の話題を。
前述の”形状を捉え自動追尾する技術”は、監視カメラ等に応用され、怪しい人物や動きを捉え、犯罪や事件を防止したり、証拠を集めたりする仕組みになり、
”衛星写真の圧縮、送信、復元の技術”は、パソコンやタブレットでも一般的になったTV会議、膨大な動画データベースの快適な閲覧に大きく貢献し、
”マニュアル検索技術”は、今やネットで調べれば大抵のコトの表層的な調査はできてしまうまでになっています。
悪しき応用は兵器類でしょう。核兵器しかり。細菌兵器しかり。最近ではサイバー兵器も脅威となっています。映画でも取り上げられるように、ハイテクで制御された部分の多い現代では、インフラが乗っ取られたら大混乱になることは必至です。
「軍需」の分野を見ると新しい技術の応用の可能性も見えてきます。
最近の「それ」は、GPS、暗視装置、無人システム。暗闇でも、正確に目的地や現在地を把握し、しかも、それらは無人の乗り物あるいはデバイスともいえる機器で、なるべく犠牲者を出さないようにするために開発されています。
そして私たちもこれらの技術の恩恵を受けて、スマホやカーナビでは、現在地を容易に把握できるようになり、子供たち、お年寄りの安全や、渋滞情報の把握、宅配の配達での情報コミュニケーションに活用されています。監視カメラは、暗いところの録画も鮮明で、犯人逮捕に繋がったニュースは少ない件数ではありません(事件がおきないほうがいいですが。。)そして、Googleは日本国内ではありませんが、GPS、暗視、無人システムの3つを組み合わせた自動配達の仕組みを開発しています。
もちろん!もちろん!
技術を悪用する輩もいるでしょう。
人類は技術を誤用することもある。
誤用があとになってわかることもある。
でも。
それを是正することも出来る筈。
「それ」があることを前提に、パワーバランスが考えられる。善かれ悪しかれもうできてしまったものを、なきものにするには、淘汰以外はなかなか難しい。TVがない時代には戻れないように、携帯がない世界へは戻れないように、コンピュータがない時代にもインターネットがない時代にも戻れないように。 (もしかするとTV放送はインターネットに取って代わられるかも。でもTV自体は残るでしょうが)
無しにするのではなく、よい応用にもっていくことに力を注ぎましょう。
応用が重要です。