Web会議はインフラになった【たまプラビジネス余談放談】20200304
2020年は思えば記念すべき年といえるだろう。 リモートワークを余儀なくされ、テレビ会議もしくはWeb会議が定着した。同時にシステムとしてもほぼ完成してきて、次に注意するのはよりコミニケーションが図れるようにするための振る舞いに焦点も映ってきた。
Web会議はインフラになった。
軍需技術から
テレビ会議を四半世紀見てきた。
最初にテレビ会議に関わったのは1994年、Windows95が発売される直前だ。テレビ会議は直接の担当ではなかったが、 イスラエルの製品を日本に輸入する部署にいた。ちなみにこれらは軍事技術を下にしている。軍需技術とは衛星写真の圧縮伸長技術だ。 衛星から地上の写真を高精細で撮影し、それを送信するために圧縮しまた伸張する、それを非常に高速に行う技術である。 なんだかんだで”軍事”と”エロ”が技術を進化させていく、これは余談。
専用サーバー、セキュリティポート、専門エンジニア
当初はインターネット普及開始前で、主流の回線はISDNの従量課金。会議を1時間開くのも会議室レンタル並みで、コストを気にしていた。システムも専用機で大掛かりだった。 すぐにインターネットの普及期に入るが、まだシステムは大掛かりで、専用の多地点接続用動画交換サーバーが必要だった。また社内システムから接続するためにはIOポートを開けてもらわなければならず、情報システム部門からは疎ましがられた。従ってエンジニアが常に待機し、接続開始に時間がかかったり、途中で切断されたりして、例えば取締役会などには使用が躊躇われていた時期もあった。
専用機からソフト中心へ
それまで専用システムでなければいけなかったが、安価なWebカメラが普及し始め、ソフト版の会議システムが開発され、「デスクトップから会議」ができるようになる。しかしまだ、マイク、スピーカー、ノイズ対策は不十分で、一時は「あまり使えない」という評判もあり、なかなか一気に普及とはいかなかった。
SARS感染症で普及?
SARSが感染症として発生した際、”パンデミック”をキーワードにイスラエルのメーカーがPRを始めたが結果的にパンデミック状態にはならなかったため普及は進まなかった。しかし今回のパンデミックによって一気に進んだ。その意味で、彼らの読みは当たっていた。
2020年は記念すべき年になった。 リモートワークは勤務形態の一つになり、Web会議はインフラになった。周辺機器もインフラ機器になる。マイク、スピーカー、イヤホン、会議する部屋、背景画像までが含まれてきた。そうそう、実証実験レベルだが、日産のエルグランドにWeb会議環境が搭載されるそうだ。(2022/2/17時点のImpress Watchより)
会議マナー
そして注意するのはよりコミュ二ケーションが図れるようにするためのWeb会議ならではの振る舞い、配慮に焦点が移ってきそうだ。音と映像へのマナー。
「事前準備」会議が始まる前に環境は整え確認しておくこと。直前にインストールしたり、音が出ない、マイクが繋がらない、操作がわからないなど、スムースな開始、進行を妨げることは、会議参加者全員の貴重な時間を奪っていることを意識しよう。
「音のミュート」会議システムは話者を映す。音への反応は高性能だ。タイプ音や紙を捲る音にも反応することがあり、話してもいないあなたの顔を映し出す。
「顔を出す」顔を出さないで参加するのは奥ゆかしくないのだ。それは内職の隠れ蓑であり、なにより不参加の表明である。オブザーバーでない限り顔は出すべき。
「雑音」意外に無頓着で、咳払い、鼻を咬むなどをしている人がいる。ピンマイクをつけているようなものだし、聞いているほうはイヤホンだ。思っている以上に大きい音である。話中の人の声も聞こえなくなる。音のミュートと合わせて、必須マナー。
そうだ。
Web会議はインフラになったのだ。