【ODRピックアップ】20141113 等身大のほうが怖いのです
映画「パシフィックリム」は面白い。
http://www.youtube.com/watch?v=LIw5DFz0ObQ
侵略者たちは、異次元の裂け目を海底にあけて、そこからやってくる。高層ビルよりも大きい巨大生命体。人類は、操縦者の動きに神経レベルで反応して動く巨大ロボットスーツを作り最後の戦いに挑む。。。ロボット1台に2名乗車し、心が一つにならないといけないというヘンなハードルがありますが、ガンダム、エヴァンゲリオンなど、日本の名作からヒントを得たらしき部分も多くて、なんだかわくわくします。今更ながら。
昔からそうなのですが、巨大怪獣に恐怖を感じないんです。むしろ巨大より等身大のほうが怖い。例えば、私の世代の方向けに言えば、
”ウルトラマンで「巨大化したケムール人」は怖くないが、「等身大になって室内に表れるケムール人」にはとてつもない恐怖を感じる”というところです。
パシフィックリムで登場する人類を滅亡させるかもしれない海中から現れた侵略者である巨大生命体ですが、あの場面に自分を置いてみると、なんだか生き残れている気がするのです。それは、飛行機が落ちてもなんとなく助かりそうな気がするような錯覚なのかもしれませんが。
それよりも「ワールドウォーZ」でのウィルスに感染した人間のほうが遥かに怖いし、「ゲゲゲの鬼太郎」の「妖怪だいだらぼっち」より「小豆洗い」や「ぬらりひょん」のほうが怖いし、「ゴジラ」より「なまはげ」が怖い。
単に、想像力の欠如なのかもしれません。巨大なモノへの恐怖より等身大のモノへの恐怖のほうがリアルに感じられる分、怖い事が実感されます。
ICBM(大陸間弾道ミサイル)より銃のほうが怖いと感じます。大量破壊兵器の売買や実験より、銃規制の緩和に脊髄反射してしまうのです。
酒場に銃を持ち込める法律が可決 6州目
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2013/08/post-3019.php
バーの経営者が許可すれば、護身のために銃を持ちもめる法律が可決されたそうです。
「どう考えても常軌を逸している」と記事は述べています。私もそう思えます。
しかし、データによれば、法律を導入後1年でバーでの発砲事件が5%減ったといいますから、懸念とは裏腹に効果があるのかもしれません。
多分。
多分ですよ。
実感できないものは正しく怖がれないのです。私の場合。
巨大生命体。巨大化したケムール人。妖怪だいだらぼっち。ゴジラ。
実感できない大きさなので怖い感覚が生まれない。
人間サイズのケムール人、ぬらりひょん、ゾンビ、なまはげは、すぐ後ろにも現れる感覚が実感できます。だから怖いのです。
飛行機が落ちる恐怖感は当然味わったことがないので実感できないのです。
だから。
いくら新聞で見ても、ニュースで映像を見ても、映画を見ても、話を聞いても、分かったような気になるだけで、実際は分かっていない。伝達者の表現力に影響されて本当の怖さあるいは怖くなさは分からないのです。
ニュースが報じている怖さ。もし本物の状況に触れていないのなら、それは実感できていない怖さかもしれません。煽られて正しく怖がれていないかもしれません。