【ODRピックアップ】 20151130 突撃ローラー夜討ち朝駆け古き良き時代の営業
オフィスに一日いると、セールスの電話がかかってきます。新人と思わしき初々しい声、ベテランのしわがれた声、電話セールスのプロと思われる声。長年やっていると、お断りするトークも数パターン。でも、最初からメールで売り込むより、”売り込まれる”確率は高いです。
・訪問営業は少なくなった
それにしても、「訪問営業」は少なくなりました。自分でも、現在の会社を創ったときには、事務所近くの地下鉄の駅を地上に出ると、法律事務所が沢山あったので、軒並みアポなしのローラーセールスを行ったものですが、最近は、ノーアポでチャイムを鳴らして来る人は殆どいません。確かに受付があるような大きな会社では、アポなしでは面談はかなわず資料を置いてくる事もできないのが実情のようで、営業にとっては出会い頭のセールスは難しい時代です。
換わって現在の営業は電話やインターネットによるファーストコンタクトが増え、一日事務所にいると10本ほどの営業の電話を受ける事になります。
・換わって電話営業が増えた
資産運用、オフィスの紹介、複合機の入れ替え、人材紹介、営業代行等々。いずれも、丁寧に商材やサービスを紹介し、「まずは一度ご挨拶を。。。」と控えめなので、こちらも、「当面いらないです」「今は検討していないです」「引っ越したばかりです」などの常套句で、「そうですか。ではまた」とあっけなく電話は終わります。
その中に営業代行の会社からの売り込みがあります。同社では、顧客リストから専門の電話セールス担当者が最初のアポイントを取るところまでを行い、実際に訪問してくるのは、営業を依頼した会社の担当者。つまり、殆どの電話(特に印象のよいこなれた感じの話し方をするのは)は、この営業代行の会社からのもの。断るとシツコクはされませんが、別の担当者(オペレータ)から同じ内容の売り込みがあり、それを指摘するまでは、定期的にかかってきます。つまり、前述した企業の営業開拓は、自社の営業が行わないケースが増えているということでしょうか。想像されるのは、修行のような新入社員による開拓営業、ノルマ、冷たい門前払い、営業マンの疲弊、退職。。。
・もっとガツガツした営業が懐かしい
私の就職のイメージは、TVや映画のクレージーキャッツ植木等主演「花の営業部」シリーズを見て育ってしまったので、営業=花形。就職したら営業になろうと思っていましたが、入社したIT企業は営業が重要部署でない業態でエンジニアから始まりましたが、心の中では、(営業すごい)が消えませんでした。
その後やっとIT業界も営業強化の時期がきて、外部から営業のプロフェッショナルを多く採用し、そうした営業マンに同行していくことが増えてくると、やはり、そのすごさを目の当たりにしたものです。
営業A氏は、所謂「夜討ち朝駆け」を実践し、顧客の担当役員の自宅に早朝でかけ、出勤前に交渉して、注文書に押印を貰ってきました。「非常識だ」と言われる可能性もあるでしょうが、そこまでの関係を構築してきたからできることでもあります。
もう一人は、用意周到。「今日は決めますから」という日に営業B氏に同行し、最後の詰め。でも、注文書に押印の段階でお客様が躊躇しました。「もう少し(値段を)引ける?」と、今日はもう引けないだろうと踏んでの駆け引き。すると、B氏は、「わかりました!」と、値下げをした注文書を鞄から出しました。私もお客様も驚きました。それでも、お客様は(もう一声)を要求。すると、「電話をおかりましす」と会社に電話して、「今、値下げしたFAXがきます」と平然。やがてFAXが届き、「ではここに押印を!」と迫って見事受注しました。FAXの件も予め決済がとってあったそうです。ドラマみたいでした。
・最近の開拓スタイルはスマート
それはというと、もっと自然な”プル”営業。インターネットのコミュニティを使った自然なユルいつながりをきっかけに、無駄なく、早く繋がっていく。例えば、ネットニュースのサイトに、「オフィスでウェアラブルシステムを活用するには?」という記事を見ようとすると、その前に連絡先を入力するとダウンロードできるようになっていて、後日、その記事提供の企業から連絡があり、「ウェアラブルシステムを活用に興味があおりですね?現状をお聞かせいただけませんか」とメールがくる。これだと、内容にも当然興味はあるし、タダで情報を使ったという負い目?から、少なくともお断りしずらくなってしまいます。
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ところで、セールスの電話ですが、娘達が就職したばかりなので、それまで冷たく断っていたのに、最近は声が若いと、ついつい娘の顔が脳裏に浮かび、
「話だけでも聞いてあげよう」
と思ってしまいます。まあ、それが元で証券会社の営業ウーマンが持ち込んだ新規上場株で少しメリットがありましたが。。。