【半蔵門ビジネストーク】20170802 時代の変わり目を目撃する
1996年当時は驚いた。当時前職でイスラエルへ行き始めていて、いい製品があれば契約、買収までも視野に入っていたころ、部下の一人が、「面白いのがある」と見つけてきたのが、FutureSplashという製品だった。当時は、まだインターネットも遅く、動画コンテンツを配信するような時代ではなく、CDに入れた電子書籍がで始め、インタラクティブなコンテンツ制作の中心は、MacroMedia社のDirector、インターネット用には、Shockwaveが全盛期。そういえば、オーサリングツールというジャンルもあった。
さっそく、FutureSplashを調査し始めた翌日、MacromediaによるFutureSplash買収が発表され、業界のスピード感を体感した。その後、Flashという製品名でMacromedia社から発表された。あれからもう21年もたっている。そして2005年には、アドビ社により、Macromedia社が買収されてしまった。
当時Macromedia社は、Authoware社のフロー型オーサリングツールAuthorwareを皮切りに、マルチメディアコンテンツ制作系のツールを会社ごと買いまくっていた。まるで大きな回遊魚が小魚を飲み込むように。そして10年、十分に肥えた同社を、ジンベエザメのようなアドビ社が丸ごと買い取ってしまった。そしてさらに12年。
Flashは、セキュリティホールとして問題であったが、ついになくなってしまう。開発分野にいる者としては、こうしたツール製品の浮き沈み を時代の変わり目として覚えている。
今はたぶん時代の変わり目だ。
日常も、経済も、世界情勢も。日本で戦後始めて憲法もかわるかもしれない。
アメリカもイギリスもフィリピンも中国も変わっている。トランプもドゥテルテも現れるとは思われて居なかったタイプの大統領だ。イギリスが欧州連合を抜けるとは思わなかった。
ダーウィン曰く。
強く賢いものが生き残るのではない。変化できるものが生き残るのだ。
いつでもがなんらかの時代の変わり目に違いない。兆しや余韻を見逃さなければきっと何か掴めるのかもしれない。