ダーク・ジェントリー 全体論的探偵事務所【読書/映画感想】20180406
書店でタイトルと表紙買いした文庫だ。ドラマ化もされているらしいが知らなかった。久々に読了までに時間がかかった。通常の文庫は長くて2日で読み終えるのだが、これは1週間以上。
なにせ読みにくい。翻訳本というせいもあるが、話の展開が突拍子もなさすぎて頭に全然入ってこない。映像が描けないからだ。
あらすじ的な。。。
最初に出てくるのが、「電動修道士」。。。はい?
馬に乗っているらしい。
なにもかも信じるのが役目だそうだ。
なんだそれ?設定がわからん。。。
想像がつかないまま、
ケンブリッジ大学で、手品をするレジという老紳士。
IT企業の社長がトランクから出て来た何者かに殺される。
馬が浴室に現れる。
ソファが階段の途中に引っかかっている。。。
まったくつながりが判らず、映像を描こうとしても、ピンとこない描写が続く。
ダーク・ジェントリーは、あらゆる謎は全体的に関連づいてつながっているという考え方の持ち主で、それをベースに推理していくので、時に突拍子もない行動になる。たとえば、行方不明の猫を探すために、どこかのリゾート地に探しにいくようなことをする一見支離滅裂な詐欺師のような名探偵だ。
ネタバレ
起こりえないことが頻発するのだがそれらが相互に関係しあっているとしても、あまりにも荒唐無稽過ぎでドタバタ的だが、タネアカシをすれば、
1)40億年前に地球に他の惑星から着陸した異星人が事故で死亡(この概念があるのか?)したが成仏できずに現代までさまよっていて、
2)一方、タイムマシンを発明したレジ氏は、もう200年も時間旅行をしていて、
3)タイムマシンを見つけた異星人の亡霊が、それに乗って爆発が起きる前(40億年前)に戻ってやり直したいと思い立ち、
4)それを手に入れる為に、別の人間に憑依して様々な事件が起こっていた、のであった。
それならなんでもありじゃん!!
物事は相互に関連づいているとはいえ
確かに物事は関連づいていると思えることもある。ただしそれが実感されるのは、身の回りのことだけでのような気がする。
身の回りのこと:サボったらその分の不達成により支障がでてくるだろうし、頑張ればその分の見返りがありそうだ。頑張りすぎてしまうと体を壊したり家族をないがしろにすれば家庭崩壊だって関連して起こる。
イギリスで逃げた猫の手がかりはタヒチにはないが、日本で顧客が減ってしまうのは営業努力が不足したからに違いない。
そりゃ万物の法則が変れば全体に影響することはあるかもしれない。例えば、映画「コア」では地球のコアの回転が止まりそうになり、重力やもろもろが狂い始めたという設定だ。ペースメーカーが突然とまり、飛行機の計器は狂い事故になる。
この本の設定のトンデモ点は、
- タイムマシンの実在
- 40億年前の亡霊
の2つだが、亡霊は存在しそうな気がするな。タイムマシンの実在は夢があるのだが、タイムパラドックスが今起きていないということは実現しないのではないかと思う。いや起きているのに気がつかないだけかもしれないが。
亡霊は、自分が命を落としたら亡霊となれそうな気がするからだ。周囲にホワワンと漂っているのは今でもありそう。突然感じる背中の寒気は、きっと妖怪ブルブル(鬼太郎に登場する)が背中に張り付いているに違いない!!
ちなみにこの本、ヤフオクに出したらあっというまにウォッチリストが数件ついて、入札も数件、最終的には、定価920円に対して910円での落札となった。著者が故人で伝説の名著か。