割りがあうように【半蔵門ビジネス雑談】20180626
”只ほど高いものはない”
は真理ではあるが、いつでもそういうスタンスでいるとずっと警戒していなければならないし、中には本当に善意で一方的な提供をしてくれる場合もある。そんなとき頑なに断るのは難しいし、無理に断れば関係を壊してしまいかねない。
割りにあう、割りにあわないという言葉がある。
労力に対して対価が少ないとか、提供物に対して見返りが少ないなど、ある数量と他の数量の比較で釣り合いがとれる、とれないというときに使う。
語源は、
あるものを分けようと(2つ以上に)割ったあと比べて見ると均等でない=割りがあわない
ということではないだろうか。
様々な取引や交渉が、「割りがあわない」という理由で決裂するが、逆に割りがあえばその取引はうまくいく。しかし、実際の場面では、そうそううまく折り合うわけでもない。高く売りたい人と安く買いたい人、沢山働いてもらいたい人とできれば少なう労力で多くを得たい人、取引はそもそも紛争だ。だからといって、個別の取引ごとにそれを争っていたのではなかなかうまくいかないし時間もかかるだろう。
そこで個別の取引ではなくトータルで割りがあうようにするために、今回は譲る、だから次回はこちらに便宜を図ってね、とか、前回は譲ってもらったので、今回はこちらが譲ろうとか、この交渉では譲るから別の交渉で勝ちとろうなどと、割りを合わせるのだ。
商売、取引だけでなく、日常生活でも、
- 今日は早く帰ってくるから、金曜日は遅くなる
- 今週末に庭掃除するから来週は花に水をあげて
そんな割りの合わせ方は使っているはずだ。