人間のように泣いたのか?【読書/映画感想】20181206
森博嗣氏のWシリーズの最新刊。ウォーカロンシリーズ。
あらすじ
なんらかの理由で生殖機能が退化してしまった人類。一方、ウォーカロンと呼ばれるクローン的な、生体的ロボットのような人種というか、種族というか、それらはより進化、発達してきた。ポストインストールという一定の知性や常識をインストールすることで、育ちの悪いそれはないが、人道的?にポストインストールをすべきでないという議論もあり、政府局員のキガタは、初めてそれを解除されたウォーカロンであり、今後の行方も気になる状態だ。
日本での国際会議でテロが発生したが、それはテロではなく人工知能同士の争いで、その要因となったハギリ博士の抹殺計画であることが判明。
逃亡の途中で、局員ウグイマーガリィーとハギリはラブホテル?みたいなところへ逃げ込み、ハギリはウグイから衝動的に抱擁される。
人工知能界の冷戦
この巻の争いの元は、人工知能の派閥?主義?争いから生じている。形成不利なグループがその原因を作ったと「演算」されるハギリ博士抹殺を企てたことによる。博士が安全なエリア(ニュークリア)から出てくる国際会議で誘拐されるものだ。やはり、国際会議は危険だ。お祭り的に盛り上げた報道が多いが、いつもそうした要人暗殺の危険はある。そして、テロに見立てて事件を起こせば本来の意図はかき消され、テロ組織ばかりが悪者にされる。そうした裏があるかもしれないことは、現実社会でも意識したほうがよさそうだ。ある正義は絶対ではなく、正義の裏には別の正義がある。
戦闘シーンとラブシーン
アクション映画にはつきもののこのシーンセット。激しい戦いのあとは、恋に落ちるのか、危機感を覚えて本能的に愛に目覚めるのか。これまで機械的な正確さと非情さと緻密さで安心感のあったウグイが、ハギリ博士を好きになってきた?ツンデレなので、それなりに面白い。ハギリは細胞を入れ替えているので今は100歳近い?まるで30歳年の差の恋。。事件の後、二人、月を見て、触れた手を握る。。。
それはおっさんには期待を持たせてくれて、少しワクワクする。
そして、このシリーズは完結した。
最近、カウンセリングを受ける場面が、映画でもTVでも多い。ここでも。やっぱりカウンセリング受けたい。どこかにいいカウンセラーいないかな。