コスプレが法に触れた?【御散歩雑談】20200520
高校時代の娘のお話。
コスプレにはまっていた。最近のコスプレは昔より遥かに本格的。私の世代では、せいぜい、風呂敷をマント代わりに背負って、母親の買い物についていった程度だが、今や写真に撮って人様に見せられるクオリティ。
コスチュームに関して、CNNで報じられたのは、
バットマンもスパイダーマンも手錠、LA警察が一斉摘発"
ハリウッドが報道されるときによく見かける、
「無名俳優たちが人気キャラクターに扮して観光客と一緒に写真を撮っている」シーン。
警察はドナルドダック、キャットウーマン、Mr.インクレディブル、シザーハンズ、マイケル・ジャクソン、ジョニー・デップ、エルビスの面々を逮捕したということだ。
記事中では、逮捕の理由は、
"観光客へのチップの強要による苦情"
だと記述がありますが、ヒーローたちは、
"強要していない"
と主張している。
一方、警官は「上の指示だ」といっているそうで、本当の理由は明確ではない。記事につけられた一般からのコメントでは、
(逮捕は)"自由の侵害"、"他に逮捕すべき本当に悪いヤツがいるだろう"
と今回の処置に対して、批判的な論調が中心だ。
「上の指示」の理由としてもう一つ考えられるのは、映画のヒーローという著作物の「複製権の侵害」だ。日本の著作権法でも、
「第21条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する」
とあり、「複製」とは、「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により"有形的に再製"すること」とあり、完全コピーでなくても、一見複製に見えれば、翻案権の侵害と見なされる可能性がある。
記事では、「なぜかシザーハンズ"だけ"は解放された」とあるが、これはもしかすると、複製の出来がよくなかったのでは?つまりあまり似ていなかったと。
著作権法は、親告罪といって、権利者が訴える必要がある。また、著作権法の目的は、簡単にいうと著作権を保護して著作者の権利を不当に侵害しないことで、文化の発展を図ることが目的だから、日本の場合は、今のところ訴える立場の出版社や制作社が黙認している(恐らくそのほうがメリットがある)状態と言える。ただ、コスプレは事業者によって衣装が販売されているようなので、この権利処理はキチンと行われている必要がある。
ハロウィンの日にサンフランシスコに滞在したことがあったが、街中コスプレだらけたった。ハリウッドでは、著作権侵害+お金儲けだったことが逮捕の理由なのかもしれない。
娘の場合、いろいろな写真に写り込んだりもしていてクオリティ高かったようだ。しょこたんのDVDにも映っていたらしい。