半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

ニトリ米国撤退はグローバルの終わりか

ニトリ米国撤退はグローバルの終わりか【たまプラビジネス余談放談】20221021

 

ニトリが米国から撤退するようだ。理由は、米国が(ニトリの生産委託先である)中国からの全製品に関税25%を続けていること、また、同社の主力商品であるNスリープ(ベトナム生産)などに米国が課している1000%関税が継続する見込みだからだ。Nスリープは一万円の商品だが関税1000%で輸入原価は10万になり、さらにコンテナ代が以前の約7倍に膨れ上がっているため採算が取れないと判断したのだ。

www.wwdjapan.com

 

自国主義が復活する

 

ソ連崩壊で冷戦が終わり世界はグローバル経済に向かったが、トランプ政権のとき中国の人権問題制裁などでこうした関税が実施された。アメリカの自国主義、英国のBREXIT、中国のウイグル侵攻、そしてロシアのウクライナ侵攻、グローバル経済は終わりを迎えるように見え、関税が障壁となって蘇る。そうなると、安く作れる国で作り、数が売れる国に売る路線のグローバル体制を進めてきた企業はニトリのような判断をせざるを得なくなる。

関税を低くして相互連携でビジネスを構築してきたグローバル企業は、どこかの国が「やーめた」とその連携から抜ける規制をかけたり、取り決めを解除したりすれば、たちまちに利益構造を維持できなくなる。

 

グローバル化はデフレに向かう

 

グローバル化は、安いところで作って多くの国で売ることに向かう。価格は安くなる。つまりデフレ。グローバル化はデフレに向かう。デフレの行き着く先は安く買える、賃金は下がるまたは上がらない経済。しかし、製造に関わらない分野ではデフレのスパイラルには巻き込まれず格差は進む。

 

グローバル化は循環する

 

第一次世界大戦前には、蒸気船、鉄道、電信が発達し、自由貿易、グローバル化がが進んだ結果、格差も一因となって第一大戦が勃発、戦争の結果、世界貿易が鈍化し大恐慌を引き起こした。それを原因として第二次世界大戦が勃発。戦後、冷戦化の世界はブロック経済に向かった。金融技術が発達したが金融危機によってグローバル化はまたも崩壊しつつある。そしてまた、解決策は戦争なのだろうか。アメリカファースト、BREXIT、そしてウクライナ戦争はどこまで拡大するのかしないのか。

www.nli-research.co.jp

米国はそもそも自国主義路線

 

米国には外務省がない。国務省が外交をおこなっている。だから、外相会談には国務大臣が出席する。それはつまり”自国の国務の一環”としての「外交」をおこなっている。アメリカ以外の国では外務省があり、外務として外交をおこなっている。自国のためではなく他国のために。

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英国はジョンソン首相が退任のスピーチで欧州からの独立をアピールした。しかし、そして最後の言葉は「Hasta la vista, Baby! 地獄で会おうぜベイビー」。

この先には地獄が待っている可能性があるのだ。