半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

不思議な現象があるものだ

不思議な現象があるものだ【たまプラビジネス余談放談】20230515

 

昔々、C言語が普及し始めのころ、自分が開発したプログラムが期待通りに動かない現象はよくあった。いわゆるプログラムミスによるバグ。大抵は原因を発見して対処して正常に動作するようになるのだが、何もしていないのに突然直ってしまう不思議な現象が発生した。一度うまくいくとずっと上手くいく。しかし、翌日のレビューの時に、昨日あんなに問題なく動いていたのに、そしてそこから手を入れていないのに、また突然上手く動かなくなる。意地悪かよ、と思いたくなるような、心霊現象だと主張したくなるような、不思議な現象になやまされたものだ。まあ、実際の原因は心霊現象でもなんでもなくて、定義したテーブルのサイズを超えて書き込みしたとか、プログラム間でのメモリ共有でどちらかが内容を正しくない値に書き換えてしまったとか、メモリをクリアしていなくて”ゴミ”的データ内容を処理してしまっていたとか、「そりゃそうだよね」的な明確な原因があったものだが、当時は、なんか知らんけど動いた、問題が起きないうちに帰ろう、なんてやってたある意味平和な時代の不思議な話。

gigazine.net

最近の不思議な話は単なるコードではなくもっと複合的多面的なもののようだ。上述の例では、「古いブラウン管のテレビが村にありそれの電源を入れるとデジタル線に電磁干渉を起こしていたのが原因」と判明。単に習慣でそのブラウン管モニタに電源を入れていたおじさんの行動がいつも7時だったというわけで、それからはブラウン管の電源を入れないようにすることで解決。

 

gigazine.netこちらは、IKEAで購入した特定の機種の椅子で静電気が発生しモニタに影響を及ぼしていたと判明。湿度を上げたりアース線で解決した。

どちらの事例もそんなことテストしないだろうなという立体的な原因での現象で、原因がわかるまではまさに不思議な現象だったであろう。

興味深いのは後者の事例では、ネットで検索したら既にそういう事例が報告されていたことだ。そういう現象が起こること、その事例がネットで共有されていること。これはまさにUNIXが目指していたこと。その初期の頃読み漁った本に、Amazon.co.jp: Life with UNIX―UNIXを愛するすべての人に: ドン ライブ, サンディ レスラ, 福崎 俊博, 坂本 文: 本というのがあった。UNIXについての書籍で、柔らかく書かれていた本で、その中の最も印象的なフレーズ、それは。。。

 

「問題は誰かが一度だけ解決する」

 

これはそれまでのメーカーがハードウェアからOSを含むソフトウェアまでを造って供給するモデルからエンジニアが必要な部分をそれぞれ造り供給する自由と自立に溢れた仕組みだった。1ベンチャーの社員だった私は、この言葉で一気にしかし密かに希望にワクワクしたものだ。

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