コンパウンドクエスション【たまプラビジネス余談放談】20231106
先日のニュース。停戦決議案なのに否決か?平和を目指すんじゃないのか?戦いをやめないのか?と、一瞬思ったが、その理由は違ったようだ。
決議(質問とも捉えられる)には、以下の点が含まれる。
- 人道危機を回避するための即時停戦
- ハマスが拘束する人質の解放
- 人道支援を可能にするよう要請
- 市民の安全な退避
- 民間人への暴力やテロ行為を非難
どれも反対する余地はない。ただ、「民間人への暴力とテロ行為の非難」には、”イスラエルの反撃”も含まれ、つまりどっちもどっちだということ。しかし、本来のきっかけとなった最初の”ハマスの民間人への攻撃と拉致”を明確に”非難していない”ことにも解釈できる。提案したのがロシアということもあるが、国連で否決された。
ところでこれは、一種のコンパウンド・クエスション。自分が当事者として関わった海外企業との訴訟で、弁護士から繰り返し「コンパウンド・クエスションには気をつけろ」言われ続けたやつだ。それを思い出した。
コンパウンド・クエスション=複合質問だ。回答として、「一つのYES /NO」を求める質問に、複数の質問が含まれているタイプの一種の引っ掛け質問。訴訟でよく使われる。答えると両方の問いに対して一括して答えることになる。
かつ、これは関連する重要な質問が”含まれない”ことで、これにYESと言ってしまうと、質問に含まれない重要な問い=きっかけとなったハマスの奇襲、残虐攻撃を暗に認めてしまうことになるという二重の引っ掛け質問なのだ。でもYESと応えないと、停戦に反対していることにもなる。
やっかいな質問。これによってイスラエルの反撃ばかりが強調されてしまった。
イスラエルは一部閣僚が核使用も仄めかして避難を浴びている。しかしハマスはゲリラ戦でハマス戦闘員とパレスチナ民間人が区別できない状況で、戦時法では民間人も守りきれない状態でもある。ガザ住民が「ハマスを追い出してくれ」と懇願する映像も出ている。
ますます落とし所が見出せない月曜日。