電子帳簿保存法 紙保存は違反になる【たまプラビジネス余談放談】20231204
CMで、来年から施行される電子帳簿保存法に対応したシステムを導入して準備万端な会社の管理者らしき人が、受け取ったデジタル書類をごく普通に印刷してファイリングする ー その時審判に扮した人物に笛を吹かれて、「電子データとして受け取った帳票を印刷して保存することは違反だ」となる場面が流れている。
印刷して保存はなぜいけないか?
電子帳簿保存法は、
情報化社会に対応し、国税の納税義務の適正な履行を確保しつつ納税者等の国税関係帳簿書類の保存に係る負担を軽減する等のため、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等について、所得税法、法人税法その他の国税に関する法律の特例を定める日本の法律である。
と定義されている。
目的は、納税義務履行とその保存の負担軽減である。機能的には、帳簿類を電子保存し、検索できるようにし、改ざんを防止して検証できるようにし、オリジナルとの同一性を担保することだ。
印刷して保存はなぜいけないか?紙保存は、電子データが使えない時にすぐに確認できるからいいんじゃないか?電子データが万が一破損したりアクセスできなくなったりしたときに備えられるんじゃないか?と考えが浮かぶ。それに対しては以下のように応えられている。
「電子取引の紙保存」が禁止されているのは、「紙に出力した書類と電子データとの同一性が確保されない」つまりマスターデーターが2つになってしまう可能性があるということを防ぐため。また、「税務手続きの電子化を進めるため」という主に2つの理由がある。
紙を残してはいつまでも電子化が進まないということだ。紙保存と禁止しないとおそらく誰もが印刷保存するだろう。そうなると、保存デバイスが増え、保存スペースが増え、両者の整合を取ろうとする労力が増え、電子化によるメリットが消えてしまう。
が、結局、2024年以降、1月1日から、結局『相当の理由』があれば、特に手続きをしなくても請求書等の紙保存を認める猶予措置が設けられた。『相当の理由』とは、「システムやワークフローの整備が間に合わない」などの理由も当てはまる。ただ、IT事業者など「できるしょ?」といわれる可能性はあり。