ココロのカサブタ(4)【御散歩雑談】20231108
芸人オードリーの番組のオンラインライブのテーマで、昔傷ついた言葉をわらいにする試みが行われる。昔言われた言葉で傷つきそれを忘れ去ろうとしても忘れられない、そんな言葉の傷はカサブタのようになって残っている。カサブタなので出血もしないし痛くもないが、ふとした瞬間に思いがけずに触れたりするとその傷や痛みを思い出すことがある。自分にも数多くのココロのカサブタがある。あえてそれらを曝け出す。その4。
またも中学時代の話。今回は言葉ではない。その彼は、中学時代からの友人。家が近所だったので毎日一緒に通学した。放課後は彼の家でレコードを聞いたりした。部活も同じで一緒に朝練に向かい、遅くまで部室の掃除をしてまた一緒に帰ってきたりもした。クラスも同じで、親友ではないが行動は一緒のことが多かった。このカサブタは原因も理由もまったくわからないまま今に至る。
ある日、昼食後の休み時間に、教室で普通に自席に座って友達と喋っていたら、彼がやってきて前に立って何か言った(のだと思う)。それに答えたのか笑ったのか無視したのか全く覚えていないが、いきなり、彼に殴られた。驚いたが痛くはなくて顔を見上げた。また彼が何か言ったがなんだったか覚えていない。もう一発殴られた。「わかったよ、わかったよ」といって頭を抱えた。やがて彼は何かを言って行ってしまった。
殴られるのは心外だったがダメージもなく怪我もしなかったので追いかけもせず、何日かは口も利かなかったが、数日後の通学時に彼が家に迎えに来たので何事もなかったように一緒に通学した。
その話題はもう出なかったし、自分からも言わなかった。効いてないよ、痛くないよ、驚いてないよ、をアピールしたつもりだったのは覚えている。反撃すればよかったのか、何か言えばよかったのか、理由を問いただせばよかったのか、友達と思っていたからなのか、ご近所さんだったからなのか、コトを荒立てない選択をしたことが、いまだに心にうっすらとしたカサブタを残している。