【ODRピックアップ】20131205 普段は見えないお金のこと。ITのコスト。
資金が豊富な大きな会社にいるならば、”資金繰り”といえば、
「経理部の仕事でしょう?」
と他の部門の人はあまり気にしなくていいのかもしれません。実際、私も上場企業に居た時はそうでした。特に給料という形で受け取っていると、いつも決まった給料日に口座に入金されてくるので、
「会社にはお金がある」
という認識しか持てなくなってしまっていました。
やがて役員として派遣されたベンチャー。
月末になって、いつもジャックバウワーのモノマネをしている陽気な経理のおじいさんが深刻な顔をして、
「ちょっといいですか?」
とやってきて、
「実は月末にお金がショートします」
といいます。始めはピンとこなくて、
「はい?」
と相棒の右京さんみたいな返事になってしまいましたが、よく聞くと、月末の売上入金が2億4千、出金が2億2千、口座残高が1千5百万なので、予定通り入金されれば問題ないが、大口のお客さんの入金がずれ込むと、支払いができなくなる可能性あり、ということでした。
曰く、
「取締役からA社に入金日を確認してもらうこと」と
「B社への支払を、月初にしてもらう」ことの
了解をとって欲しいとのこと。。。この2社の大口入金と支払を気をつければ資金ショートはしないと。
”資金繰り”初体験です。。
兎に角、両社の経理部門に電話して、お願いして、事無きを得ましたが、「そういうことがある」ということを、25年目のサラリーマン人生で初めて「会社にお金がない」意味を経験、実感、実施したのです。
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さて、以下の記事は少し描き方が挑発的すぎると思いますが、そういう”お金”のことを実感しないといけないのは、小さい企業は勿論、大きな企業でも一歩間違えばトンでもないことになるのは同じです。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20131030/514903/?mle
(要約)
- IT企業のお客様(つまりIT企業以外の会社)にとって、ITのコストは、電気代や水道、ガスなどと同じような経費そのものです。使わなければ払わないのが経費。
- 例えば、とある開発プロジェクトが起案され、準備され始めたものの、経営状況によって延期されるとなれば、依頼先のIT企業に連絡して、「ちょっと待って欲しい。しかしいつでも再開できるようにしてほしい」とお願いすることになる。
- IT企業のほうも、「断ってゼロになってしまうよりは。。」と、それを受け入れる。
- ここで気がつかなければいけないのは、IT企業側で使われる予定のコスト=人件費は製造原価であるということ。しかも、プロジェクトがあってもなくても給与として発生する性質のもの。
- 「いつでも再開」は、それまで(このプロジェクトの為にアサインした)当該のエンジニアを他のプロジェクトに入れないようにという意味になるので、プロジェクトが始まらないと原価だけが積上る事になる。
- IT企業としては、いつまでもその状態で居られる筈もなく、やがてエンジニアは徐々に他の仕事にアサインされていかざるをえない。
- やっとストップしていたプロジェクトが再開されても、もはやベストメンバーではなく、その時にアサイン可能なエンジニアで構成され、結果的には依頼企業のプロジェクトに跳ね返ってくる。
もちろん、「そういうことも含めてできるようにしておくのがプロのIT企業だろう」という言も一理あります。恐らく、資金の豊富な大きな企業であれば可能でしょうが、その場合、エンジニアの単価も小さな企業よりは高いでしょうから、ここも結局お金のトレードオフ。
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今やどのような規模のオフィスでも、IT機器は必ずと行っていい程に普及し、利用されています。小さく始めた事業が、徐々に拡大していくに従って、情報システムの役割も重要になりますが、最適なシステムを、効果的に、戦略的に構築していくためには、専門的な知識が必要となります。
メールでのコミュニケーションやインターネットを利用した検索は、必需品。こうしたIT機器環境の導入は、簡単になってきていると同時に、様々な、しかし些細なちょっとしたトラブルも起こりますが、ITに詳しい人あるいは専任の担当者がいない場合には、対応にも時間がかかり、本来の業務が大幅に滞る場合も少なくありません。メールが受信できなくて一日棒に振った、あるいは、取引先に迷惑をかけてしまったという場合もあります。
たまたまPCに詳しい人が、本来の仕事以外にも社内のIT機器の面倒を見る羽目になり、忙しい想いをしている場合もあるでしょう。場合によっては、それが本人のモチベーションに影響を及ぼしている場合すらあります。ITのコストは、PCやスマホやプリンタを”購入”するコストより、寧ろ、こうした運用のための見えないコストが曲者です。
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お金では買えないものがあります。一人一人が積みあげていく信用。
しかし、この信用を維持するために必要なのが、お金であったりするわけです。