【ODRピックアップ】20150314 RTとLIKEで私をちょこっと送り込む
インターネットが普及し始める最初の頃、あるコーヒーポットが有名になったことを覚えている人もいるでしょう。
1993年11月。「イギリスのケンブリッジ大学の研究室で、共用のコーヒーメーカーのコーヒーの残量映像をWebサイトからインターネットを通じて、ほぼリアルタイムに世界に配信していました。もともとは、大学の研究員がコーヒーを飲もうとポットのところに行ったら、コーヒーがたまっていなかったということが何回かあったことから、おもしろ半分冗談半分でWebに接続したカメラを設置したもの」でした。
Trojan Room coffee pot - Wikipedia, the free encyclopedia
※写真はODR Room Network のオフィスからの参考。
これは、研究員同士のお遊びでしたが、言語の壁もなく、インターネットの可能性を示す画期的で分かり易い試みの一つでした。誰もが大学の研究室を覗いて「コーヒーがないよ」とテキストで教えてあげるなんていうコミュニケーションをとれることを体感してワクワクしていたのです。今でいうなら最初のIoT(?)かもしれません。
インターネットに繋がった世界は今に比べたらとても小さいものでしたが、
(1)世界に何かを知らせる、”発信する”
(2)世界の何かを受けとる、”閲覧する”
(3)世界のどこかからそれに”答える”
(4)世界の誰かからの”反応を受け取る”
ことができたのです。
ただし、まだ専門的な知識が必要でした。あくまで”エンジニア”たちのコミュニケーションに留まっていました。
そこから22年。インターネットの仕組みは詳しくわからなくても、無料で、”発信する”、”閲覧する”、”答える”、”反応を受け取る”ことはできるようになっています。でも、暫くの間は、”閲覧”を除いて、発信し、答えることにはまだハードルがありました。答えるがないので、反応を受け取ることもありません。カウンターを設置して、閲覧者の数を知る努力をしていました。
そして、facebookやTwitter、LINEやWhatApp、WeChatなどが登場して、大きく変わったことがあります。それは、引っ込み思案な私たちにも、”答える”をするための小さな機能が提供されたことです。RTは、自分が気に入った広めたい情報を自分のフォロワーに知らせることができ、LIKEは、その情報を気に入ったことを相手に伝えます。同時に、その数が他の人にも見えるので、LIKEの数の多い情報は更に多くの人に参照してみるきっかけを与えます。斯くして、いい情報が広まっていくというプラスの作用を引き起こすことになっていきます。
言い換えると、
「我々はネットでメッセージを送るたびに、その中に我々自身もちょこっと入れている。人間の思いやりがインターネットの原動力だったりする。」
インターネットは我々である:2015年のクルートレイン宣言 - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
ことになります。反対に、ちょっとした出来心のいやがらせ、嫌み、抗議なども、反対の原動力となる。どちらの方向もどういう結果も全部自分たちのチョコッとしたメッセージの結果といえるのです。