【ODRピックアップ】20160127 大雪通勤考
年初の中旬、週末未明に振り出した首都圏の初雪は、数年前の雪に比べるとやや少なめで積雪も10cm程度で、朝方には雨に変っていたので家の周囲の雪かきもそれほど大変ではなかったのですが、通勤の地下鉄は思った以上に壊滅的でした。
- 大学2限目の試験に向かった次女は、9時30に家を出るも、最寄り駅の改札に入れず、大学のある池袋に到着したのは、試験時間の終了した12時過ぎ。
- 私と長女は11時に家を出て、半蔵門に到着したのは、12時30。長女も乗り換えの溝口到着は12時過ぎ。それぞれ3倍の時間がかかりました。
- 同僚は、早朝に家を出て、客先が9時過ぎ。
- 同僚も次女も持っていた傘がいつのまにか混雑の中で行方不明になっていました。
こういうことが起こると、こう思えます。
デスクワーク中心の業務をしている人であれば、柔軟に在宅ワークに切り替える事によって、少しでも混雑緩和に繋がるかもしれません。
しかし、そうできない職種も沢山。物流、医療、交通機関、行政のサービス。。。
出社しなくてもいい(かもしれない)デスクワークも、在宅したはいいけれど、コンビニに何もない?などということにならないのは、そうした”なんとしてでもいかないといけない”社会インフラ業務をする方々に支えられています。
ところで、ネットでは、
- 都心の山手線は動いていたので、新幹線で品川まで出て快適通勤。
という代替案ウルトラCの披露や、
- 千葉方面は雪なく普段通り。雨でちょっと寒かっただけ。
と、必ずしも首都圏全域の交通機関が乱れたわけでもなく、
- 週末から予報されていたのですから、備えて前泊するとか、代替ルートを確保、予定しておくとかするべき
というキビシい指摘もあります。
あるいは、
- そもそもが一極集中だからだ。今こそ省庁の地方移転を。
丁度、消費者庁の四国移転の話がでているからある意味タイムリーな観点です。
そして、
- 在宅には、電子化が必要であり、セキュリティが重要だという指摘。セキュリティ上、外部からのアクセスが制限されていて、書類が手元になく、デジタルで持ち出すことも煩雑なのなら、在宅勤務はままならないという現実。
かくいう私。少人数の小企業で、会議の予定もなく、訪問者の予定もなく在宅でもよかったのですが、かつての習性か、遅い出社とはいえ、混雑の駅に向かい、満員電車に閉じ込められ、3倍の時間をかけて事務所にたどり着きました。某ホリエモンさん曰く@Twitter、”ドエム”かもしれません。なぜ、そうまでして、”会社(事務所)”に行こうとしたのか。
冷静に正直に告白すると、サラリーマン時代の習性です。その思いは、
- 在宅にすると、その日の予定が狂いますが、その影響先がどうなっているのか不明であり、連絡をつけるのが大変。だっからとりあえず行こうと。
- 在宅ワークは、家にいる=休んでいると家人には理解される、故に、家事を行うことになるのが、うっとうしい。
- 自分だけ会社に来ていない状態はいやだ。
- 自分以外の出勤できない、しない人の影響で業務に穴があく、それを埋めるなにかすることがあるかもしれない。
- 逆にいえば、自分の開けた穴を誰かにやってもらうことがいや
通勤時間は、日本のGDPを拡大しつつ、その源泉となる労働力の豊かさを喪失させているという論説もいかにも。
「長距離通勤を余儀なくされるほど 通勤交通サービスの売上は増え GDP は拡大 するが,長時間通勤に伴う支出は,家族揃っ て食事を囲む時間,ゆったりと過ごす時間, 趣味の時間に使えたはずの時間等の「豊かさ」 の喪失」
「GDP神話を超えて」小宮山康朗
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2006_01/060105.pdf
長い通勤時間を、勉強にあて、気持ちを切り替えるための時間としたり、小旅行気分だという人もいます。
結論はありません。
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