【半蔵門ビジネストーク】20171020 「棄権」は「無関心」にも「抗議」にもならず「多数への賛同」と結果は同じ
どうもまだ「批判の意味で棄権する」などということをSNSなどで表明する人が多い。
選挙である。与党には賛成できないといって、対抗軸にも賛成できない、どうしようもない政治家ばかりだ、批判したい、だから棄権だと。。。
誰かがいう。
「今の政治はダメだ、だから入れても入れなくても同じだ」
気持ちはわかる。わかるが、棄権の結果は、多数への賛同と同じ結果をもたらすことを理解しないといけない。
確かに大きく差があるときは、そういう場合もある。10対1で、あなたが最後の1人なら結果的にそうなる。しかし残りの投票者が、あなたのあと9人いるなら、まだ逆転可能だ。もちろん映画のように同点ならあなたの一票で決まる。
え?誰も支持していないから棄権?
棄権というのは確かに、"誰かに投票することを留保した"という意図のように感じる。ところがそうはいかないんだ。特にあなたが、現在の与党や、現職の大統領を相応しいと思っていない場合。。。
数値的に例を示そう。
EX.
与党対野党の争い。投票者は21人。現在のところ、10対1で与党がリードです。あなたを含めて10人はあまり政治に興味がないが、今までの政治では与党でも野党でもダメだと思っている。そこで、次の3パターン。
1)10人が棄権したとしよう。結果は、10対1のままで、与党が勝ち。
2)10人が、「野党に賛成」では"ない"けど、「与党に反対」を表明するために、野党に投票すると、10対11で逆転し、野党が勝ち。
3)与党でもよくないけど、野党じゃ任せられないと思ったら、与党に投票して、20対1で与党の勝ち。
どうでしょう?
結果で見ると、野党に投票しない限り、与党の勝ちだ。棄権は、多数党すなわち与党に投票したのと同じ結果をもたらすのだ。よく「投票率が下がると与党(たぶん多数党)に有利」といいうが、野党は投票率をあげる努力をしないといけないのだ。揚げ足取りや政策と関係ないこと(ホテルのバーは庶民感覚がないなど?)で、投票率はあがらないと思うのだが。
以前に紹介したケビンコスナーの映画「Swing Vote」はお薦めだ。
そして忘れてはいけない。
自分の一票は同点の時の決戦票であることを。