【半蔵門ビジネストーク】20171124 ODR授業@慶應ロースクール
2008年から毎年呼んでいただいているODRの特別授業もついに10年!時の流れを感じる。
今年も、三田際の前日で、雨模様の18時過ぎにも出し物を準備する学生さんたちでごった返す中を研究棟へ向かった。例年通りメインステージのロックバンドが音合わせ中。大型の液晶スクリーン、コンピュータと連動した照明、ハイレベルな演奏、ハイトーンヴォイス、アマチュアの進化は著しい。
授業内容は例年のものにアップデートを加えたもの。ODRの議論は、電子商取引だけでなく、裁判プロセスとODRが始まりつつあり、出資や企業買収も進み、変化を迎えている。
授業の資料
http://www.odr-room.com/special.htm#%82%8B%82%85%82%89%82%8F%82Q%82O%82P%82R
生徒さんからの質問で、「なぜ日本ではODRが進んでいないのか?」という話題で少しだけディスカッション。
- 日本ではODRに限らずADRも今ひとつだ。これは裁判沙汰という言葉が示すように正義を果たすよりも争いがないことをよしとする国民性かもしれない。
- もう一つは、弁護士法の非弁提携があることで、例えばIT企業がシステムを構築しても事業化できにくいということがある。
そうなるとODRを進める意味、意義はなんなのか?
- 日本の紛争を避ける国民性のなかでも、苦情や相談は多い。それは、紛争は避けるが不満はあるということだ。にも関わらず泣き寝入りになるということは、グローバルになっていくなかでは非常に特殊で不利なことである。ODRにより苦情を拾い上げそこから紛争解決にもっていける仕組みを用意することは日本にとっても非常に重要なことだと考える。
若き法曹を目指す学生がODRに興味を持ってくれて法律家としてODRを日本で実現しようとしてくれればこれほど嬉しいことはない。ODRの会議に日本の法律家が数人でも出席するようになる日はそう遠くないと信じている。
2016年
2015年
2013年〜2014年