合理的に立証することが困難な【半蔵門ビジネス雑談】20180831
スピリチュアルな能力があるらしい友人や知人は何人かいる。「そうした分野をテーマとしたブロガー」をブックマークしたりもしている。残念ながら自分にそうした能力や感受性がないので、肯定も否定もしないが、そういう能力には憧れる。それは映画のヒーローを見るみたいな感覚だ。
”それ”を信じてのめり込むことも肯定も否定もしないが、全財産を、そうでなくても多額な金額を費やしてしまったり、そういう能力者以外の友人から遠ざけられてしまったり、引きこもりになってしまったりするのは、やはり、その能力者のやり方にも問題があるのではないかと推察する。
今年6月消費者契約法に霊感等による勧誘が取り消しの対象として加えられた。
「六 当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。」
今後どういうパターンがこの範疇になるのかは、分析してみないとわからないが、
- 悪い霊が憑いている とか、
- 宇宙とか別の世界から目に見えていない”なにか”がきている とか、
- あなたには気がつかない変化が起きているから、
などの
「合理的に実証することが困難な特別な能力による知見」
を伝えて、契約し、そのための見返りとして金銭を得るというところは、取り消し可能になってくる。
そして、「取り消しができる」ということは、契約が最初からなかったことになり、元に戻す(お金を返す、品物を返す)という意味である。
消費者契約法
4 消費者取消の効果
取消された契約は,初めから無効と見なされます。(民法121条)
事業者及び消費者に原状回復義務が発生します。
① 事業者の消費者に対する代金の返還
② 消費者の事業者に対する商品等の返還(消費してしまった場合,残っている分だけ返還すればよい。)
”それ”で心の平安が得られるのだからいいではないか?という主張もあるだろうが、結果的に多額のお金を消費させ、生活が困窮したり人間関係が壊れたりしては元も子もない。
もちろん、騙そうとしている人ばかりではなかろう。一部の悪意ある霊感商法を取り締まり消費者を守るための法律で、本当に人の役にたつ場合だってあるのだ。
結局、消費者のほうも、見る目を身につけていくしかないのだ。
(はてな 1258記事)