海外エンジニアにクレームするとき【半蔵門ビジネス雑談】20190327
海外企業の日本法人で、本社HQのIT部門にクレームをするときに陥る解決を長引かせてしまう原因の一つにコミュニケーションがある。これまでの体験から、
(頼まれていた設定が終わったぞ。試してみてくれ。)
できないよ?
(いやできているはずだ、Jamesから連絡がきている)
でも、こうやったら、こういうエラーが出てくるぞ?設定できてない証拠だ。
(どうやらJamesはこれからやるそうだ)
これ絶対やり終わったことを確認していないケース。メールのやりとりだけで、やったと判断して早めに連絡をしているに違いない。
(こうやってみてくれ)
できないぞ。
(マニュアルを送った)
そうではなくてこういうエラーが表示されている
(それはバージョン違いで日本では使えないものだ)
どうすればいい?
(相談する)
音沙汰なく2ヶ月。。。
(こうやってみてくれ)
できない
(マニュアル送った)
できない。XXXエラーがでている。
(アクティブディレクトリに参加していないとできないのだ)
海外のエンジニアにクレームしようとするとき陥るのは、日本側でエンジニアから聞いた言葉だけを頼りに翻訳すると、単に技術力が低いか知識がなくてできないように読み取れてしまうことだ。
本来は、複雑な背景があって、エラーがでて、ネットを調べて試行錯誤をしているのにできないことを伝えなければいけないのだが、単にできないんだと翻訳をするマネージャに伝えるとそのまま翻訳して送ってしまうとこうなる。
- できたか?
- できません。ダメです。
==>our Engineer said they can not download it.
これだと技術力がないのでダウンロードすらできないように読み取れてしまう。
本来は、
- できたか?
- できません。なぜなら、こちらの環境ではHQと異なりバージョン管理がシステムで感知されていないのでダウンロードするためのメニューも出てこないし、それをダウンロードしてもシステム的に参加できていないので管理下にないと見なされてしまいます。裏技で直接ダウンロードしても、ログインが認められません。
これを伝えないと適切な回答はこないし、きたとしても相当何度もやりとりをしてからでないと役に立つ回答が引き出せない。
日本人のエンジニアの多くは、できないとクレームされたら、マニュアルを送りつけることはしないはずだ。それは相手の技術力が低いのではなくて、なんらかのシステムの問題かと判断して、こちら側に問題があるのではないかと自省するだろう。
翻訳者は、できないことの詳細をなるべく聞き出すようにしないといけないし、エンジニアは翻訳者に伝えたいことの背景を含めて伝えないといけない。もちろん、労力はかかるが、そうしないと埒があかないのだ。
だから、やっぱりエンジニアも英語を学ぶべきなのだ。ガラパゴスから抜け出す一歩だ。