「それ」からのことと「これ」からのこと」【半蔵門ビジネス雑談】20190415
ワンピースの主題曲の一つ「We are!」の歌詞が意外と深い。
「今度会えたなら話すつもりさ、「それ」からのことと「これ」からのこと」
今度会って話すことを、二つ述べている。
「それ」からのこと
先に、これから=今からのことではなく、それから=何かの目的を達成したあとのこと、を話すつもりなようだ。今からのことではない。すぐできることではない。何かの努力が必要な目標、それははるか彼方にある。でも、それは最終的な目標ではなく、さらにその先にある何か、あるいは、それから先にある行動のための、途中目標なのだということなのだ。
「これ」からのこと
それからのことを述べ、未来の目標とそのあとの行動を共有したあとで、ではそのためには今から何をしなければいけないか=これからのことを話すという。それからの未来が共有できていないと、これからの行動にズレが生じるかもしれない。だからこそ、これからの前にそれからを共有する。これからは、それからのためにあるのだから、理由も方向性も一致させることがたやすくなり、より目標達成に力を集約させやすくなる。
事業企画でも同じようなことがある。
「これからのこと」が、製品やサービスの開発のことで、
「それからのこと」が、完成後の製品やサービスをどのように誰に訴求して販売していくかということだったり、
「それからのこと」が、海外への出店や販売による進出であり、
「これからのこと」がそのための日本市場での拡販や協業先の発掘や提携だったりすることがある。
技術系の開発を企てると、製造・技術系のメンバーが中心となり、製品やサービスをいかによくするか、よいものを作るか、開発するかに集中し、それができてからの、どこに、どうやって、いつ周知、販売していくかがおろそかになりがちとなることはよく目にしたり聞いたりする話だ。どこに、どうやってまで意識することにより、搭載する機能やサービス内容が変わったり、いつ展開するかによって、それまでに搭載する機能はどれかということも絞り込めるが、意識しないでいると、「それから」の時にはいらない機能までも搭載しようとして、市場投入の時期を遅らせたり、結果的にコスト高になったりすることになる。
「海外への展開」=それからのこと、かどうかによって、これから製作する製品、サービスの海外対応への準備をどこまでするかが変わってくるだろうし、メンバーに加える人選にも影響を及ぼす可能性がある。
「それからのこと」が、「これからのこと」に影響してくるのだ。
起業でも、それからのこと=製品サービスをどう売っていくかを意識しておかないと、これからのこと=いいものを作るために時間を過剰に使う、その時点での競争力だけに固執する、市場に出す時期を最適化できない、などの不適合がでてきてしまう。
「それ」からのこと、と「これ」からのこと」=成功への筋書きは、製作と広告・集客の筋書きまでが必要なのだ。