半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

「このソフトウェア製品どう?」という質問

「このソフトウェア製品どう?」という質問【たまプラビジネス余談放題】20211217

 

システム会社、ソフトウェア会社から聞かれることが多い質問だ。

 

質問の主旨は、製品の良し悪し、ひいては、それを扱うことについてどうだろう、ということへの見解や知識、意見を聞きたいということなのだと思うが、 比較対象なしに、またその製品が使用される場面の造詣なしに、単品の細部について気づいたことを論っても仕方ない。だから、ビジネスモデルへの相談として回答することにしている。

 

パッケージ製品ならめぼしい顧客にサッと紹介して、デモして、決めてサッサと納品、手離れよく仕切り価格と売価の差額を頂戴する売り切りモデルだと考えれば、その製品にいかに知名度があって、ニーズがあって、競合にも強く、あるいは競合なく、利益幅も大きいことなどがポイントでそのバランスを分析して示すことになろうか。

 

でも、実際には、そんな売り切りは今は昔。業務への適用範囲も広く複雑になってきて、導入後実際に使用する場面でのサポートも必要、重要になってきている。製品供給社とシステム会社との契約も、単なる代理店契約だけでなく、サポートサービスも同時にあるいは個別に行えるスキルや体制をも用意した契約になるだろう。

 

すると製品供給社としても、販売側やサポート側にそれなりのスキルや体制、継続してくれる覚悟=投資をしてもらう必要がある。ビジネスモデルとしてね。そうしたパートナーとしての製品やサポートのキット、在庫、営業努力のコミットメント、それを反映する一定金額の確約や研修を受けての認定制度などが課せられることになろう。

また、販売形態も買い切りではなく、サブスクリプション型で、月額価格を1〜2年契約で支払うようになっているので、月額の取引単位金額は少額になるため、販売者も初期のキャッシュフロー、計画、資金繰りが必要となる。

 

海外製品の場合は特に契約形態がきっちりしていて、リスクをしっかりと捉えて交渉、分散させないと後からの再交渉も難しいので要注意。また、販売代理も国内総代理店を求められるので、より大きな投資、コミットメント、義務が課せられる事になる。さらに、共同開発の場合もある。これは販売側は未完成の製品に対して、将来の製品に今コミットし開発費を事前に購入する形になる場合もあり、意図的に将来在庫を抱えることになる場合もある。

 

トラブルになると話し合いが決裂すればほぼ裁判や仲裁になり、決着まで数年を要することもザラであり、その分野でのリスクも考えておく必要がある。実はこのパターン実際に経験している。8年以上訴訟の対応に追われてしまった。係争地が相手国の場合もあり、そうなると移動や滞在のコスト、生活のコスト、リスクがじわりとつきまとう。

契約書の細部まで、特に品質や支払い条件について、検討、交渉することだ。

 

それはつまりそこまで含めたビジネスモデルに他ならない。

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