ODRでAIを使う例【半蔵門ビジネス雑談】20190513
まだ始まったばかりだが、多分これがODRの現実的な形の一つだ。
既存のプロセスをIT化するのではなく、ITを中心にプロセスを組み直している。
この事例は、離婚した親同士の共同親権をめぐるゴタゴタを整理するのに必要な機能を備えたプラットフォームという切り口だ。
注目すべきは、AIの使い方だ。
正しいことは何かを導き出すなどと高望みしないでいる。それはたった一つ。言葉のチェックだ。
「お互いの会話を丁重なものに保つために、AI、機械学習、そして感情分析技術を使うことから始まる。この技術は、激しい会話がエスカレートすることを防ぐために、呪うような言葉、炎上を招くフレーズ、攻撃的な呼び名の利用に対して介入を行う。」
どんなに優れた機能で、AIを駆使した素晴らしい提案も、どちらかの一つの言葉で台無しになることは経験者が多いのではなかろうか?
「あなたは昔からそうだった」とか、「君のやり方は子供のために良くないことに気がつかないのか!」など。逆撫でするフレーズ。それらを、AIがチェックして介入し書き直しを促す。
もう一つは、実際に役にたつツール群だ。
「だがcoParenterのチームは、彼らのアプリは共同養育のためのあらゆる側面をカバーすると主張している。例えばコミュニケーション、ドキュメンテーション、カレンダーとスケジュールの共有、送迎記録のための位置情報ベースツール、経費の追跡と返金、スケジュール変更依頼、そして例えば散髪、食事、小遣い、メディアの利用などの細々とした日常的な親の意思決定を支援するツールなどだ。」
これら共通の「共同ツール」を使わせることで、ノウハウ、経験、やり方の違いによる新たなゴタゴタを生み出さないように支援する。
以上、たったこれだけだが、既存手順ではなく、プラットフォーム主体で、それに双方が合わせていくというやり方。一見ツール本位のようだが、円満に進めるという目的のためには、そのほうが適していることを示している。
プロセスのIT化か、ODRによるプロセス提案かという試みはまだまだ続く。