半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

自己正当化の法則

自己正当化の法則【半蔵門ビジネス雑談】20200415

 

友人は、買い物をするのに、散々時間をかけて悩んだあげくやっと購入したあとで、他の店で類似の品がないかを探すのが好きなようだ。
それは、悩んだ結果の判断が間違っていなかったことを確認するためのようなのだが、時々、よりいいものを発見してしまい後悔していることもある。

一方私は、決めるまでにはそれなりに悩むが、購入したら決して類似のものがありそうな店には寄らない。それは、自分の決定に自身がないからではなくて、自分の選んだ品物を"正解"と「位置づけておく」ためだ。

慶應義塾大学教授の増井俊之氏がコラムで述べているのは、「自己正当化の圧力」。 

「何気ない選択行動をした後でも、人間は常に自分の行動は正しかったと解釈しがちであることが知られています。自分の行動は正しかったと信じることによって心の平安が得られるから」

そうそう。
まさに私は、
 
「もう買っちゃったんだからあれこれ悩んでも仕方ない。交換や返品をする気がないんだったら、余計な情報は入れないで、平和な気持ちでいたい」
 
のだ。 友人は、なんとか最後まで「正解」を探そうとする。そして、その「正解」は、自分ではない誰かがもっているかのように、いつも自分の判断に疑問を持っているようだ。

精神衛生上、平和は気持ちでいたほうがいいに決まっている。自己正当化ができれば、さっさと次へ進める。それができないと、ついクヨクヨと悩むことになるのではないだろうか。

だから
 
「自己正当化力が強いほど生き残りに有利だったのかもしれません。」
 
と、教授は述べている。

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しかし、あまり自己正当化力が強すぎると、困る。
強すぎるのは、「頑固」ということでもあり、皆が自己正当化の固まりになれば「喧嘩」になってしまうかもしれない。寧ろ、相手が自分を肯定しやすいように、自己正当化力をコントロールしてあげるほうがいいと、教授も述べている。

例えば、初めての顔合わせの会合、例えば合コン(!)で、それぞれが話し易いように話を振る場合があるが、これは、
 
「初めてなので緊張するなぁ、ここにいていいんだろうか?」
 
という否定状態から、
話をしてみんながそれを聞いてくれて、笑顔を見せてくれれば、
 
「私はここにいるべきだ」
 
と無意識に自己正当化をするという心理を活用しているのだ。

カップルの間でも、家族の間でも、友人の間でも、政党の間でも、国家間でも、相手の自己正当化をうまく活用して、いい関係を保ち、場を進めていくこともできる。


いろいろある人生、選んでも選んでもうまくいかないこともある。
正解を選ぼうとするのではなく、選んだ道をいかに正解に繋げていくか。

自己正当化バンザイ!だ。